研究課題
若手研究
近年の学界ではインドシナ半島北部山地が注目を浴びており、18~19世紀における移民の流入や内陸交易の活発化、王朝権力の介入、山地住民の生存戦略などが解明されつつある。しかし、平野部の王朝権力に対して比較的従順な態度を示してきたベトナム東北地域に関する歴史学的研究はほぼ皆無であり、在地住民の主体性は考察されてこなかった。そこで本研究は未公刊の新史料の分析を通じ、18~19世紀のベトナム東北地域における社会経済構造とその変容、王朝権力の支配の変遷、及びそれに対する在地住民の対応を解明し、西南中国から東南アジア大陸部にかけての山地世界の歴史的文脈の中に位置付けることを目指す。