研究課題
若手研究
本研究は、社会主義ユーゴスラヴィアで退役軍人組織が主導・関与した大衆動員政策として記念碑建立事業、および全人民防衛体制を取り上げながら、世代間・民族間で政治意識の差異や社会主義体制への改革の要望が浮上した1960年代から70年代前半の時期に、果たしていかなる形で反ファシズムに連なる記憶政治が発揮され、青年層の歴史認識の構築を促したか分析するものである。特に退役軍人らが他国の同組織とのネットワーク構築に努めていたことを考慮し、彼ら/彼女らが冷戦期東欧を取り巻く政治情勢の変化に即していかなる歴史認識を提起したか、さらにそれを「受容・解釈」した青年層の政治姿勢について検討する。