研究課題/領域番号 |
23K12312
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
深山 絵実梨 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (10801144)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 東南アジア考古学 / 甕棺墓 / フィリピン / 理化学分析 / 南シナ海域ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
金属器時代の南シナ海周辺地域では、甕棺墓習俗とそれに伴う副葬品の検討から海域ネットワーク研究がおこなわれてきた。先行研究ではネットワークを構成する要素として「移住」と「交易」が注目されてきたが、近年、タイやベトナムにおいて実施された発掘調査を通して研究が飛躍的に進み、あらたに「職人の移動」という側面が注目されている。本研究では研究の空白地帯となっているフィリピン中部の埋葬遺跡の発掘・研究に基づき当該地域の葬制の特質を解明すること、物質文化の類似性が指摘されるタイやベトナムとの比較から当該地域が金属器時代の南シナ海域ネットワークのなかでどのような位置付けにあったのかを明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、金属器時代の南シナ海ネットワーク研究の空白地帯となっているフィリピン中部の埋葬遺跡の発掘・研究に基づき、当該地域の葬制の特質を解明すること、物質文化の類似性が指摘されるタイやベトナムとの比較から当該地域が金属器時代の南シナ海域ネットワークのなかでどのような位置付けにあったのかを明らかにすることを目指している。 具体的には、フィリピン中部の金属器時代埋葬遺跡の発掘調査に基づいて出土遺物の形態分類・編年・理化学分析等をおこない、当該地域の葬制とその変遷の一端を明らかにして研究の空白を埋めることを目指す。加えて、フィリピン国内の他の地域や、タイ、ベトナムなどと比較検討し、それぞれの地域的要素と外来の要素を抽出して地域文化の特質を明らかにしたうえで、フィリピン中部の金属器時代埋葬遺跡を南シナ海域ネットワークのなかに位置付ける。 研究初年度である2023年度は、本研究のカウンターパートであるフィリピン国立博物館考古部局との議論に基づき、調査対象候補地をマスバテ島、レイテ島、ギガンテス島等に絞り込み、それに基づいて各自治体長との調整をおこなった。そのうえで地域住民からの情報提供、土地主の許諾を得て発掘調査対象となる遺跡の選定のための踏査・試掘を実施する予定であったが、調整作業に時間を要したことなどにより、まだ現地調査を実施できておらず、来年度以降へ持ち越しとなった。 この他、フィリピン中部で確認されている金属器時代遺跡や出土遺物のデータベース化、遺跡分布地図の作成など、本研究を推進するにあたっての基礎的情報の整理を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたとおり、調査候補地の選定、自治体長との調整に時間を要したため、本来計画していた9月までの現地調査が困難となり、全体的なスケジュールの再調整を必要としたことが進捗の遅れの理由として挙げられる。しかし、これらは現地調査における安全確保や地元自治体との良好な関係の維持に不可欠な要素であり、進捗に関しては今後挽回可能なものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、調査候補地をすみやかに決定し、調査実施の手続きを進めるとともに、現地の状況に鑑みながら当初予定していた踏査・試掘を実施する。
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