研究課題/領域番号 |
23K12314
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
清水 香 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (70751816)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アイヌ文化 / 移入品 / 価値観 / 威信財 / 文化変容 |
研究開始時の研究の概要 |
アイヌ文化に特徴的な宝物(威信財)が成立した要因の解明を目的とする。考古学・理化学的な分析による実証的なデータを基に、年代や分布状況を明らかにすることで、当時の文化・社会・政治的な関係性を解明し、モノが文化変容に与えた影響を検証する。 主に中世アイヌ墓の副葬品(移入品)を対象として、日本海沿岸域および東北地方を中心とした分布域における相関性を数値的に比較、資料群の地理的な分布を解釈することで実証的に製作・流通を推測する。中世日本およびアイヌ文化における威信財の成立過程、価値観の形成や特徴について、交易および移入品に重点を置いた分析を行い、物質的・精神的な影響および独自性を追究する。
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研究実績の概要 |
本研究はアイヌ文化に特徴的な宝物(威信財)が成立した要因の解明を目的とし、考古学・理化学分析などから得た可視化、数値化、定量化できる情報を比較・検討し、類似性(相関)を指標として、北海道に移入した漆製品の製作地および流通経路、価値観と文化変容の実態を追究する。 主に漆製品や金属製品について、今後、実証的な分析に広く活用できる情報として蓄積していくモデルの構築、類似性(相関)を検証することで、生産地における製作の痕跡が消失したものに関して、消費地に残された資料による製作地や流通の復元を試みる。 なお、資料の形状や文様については、民具および状態の良い出土資料を対象として3次元モデルを作成し、相関を検討することで類似性の根拠を示す。 今年度は江戸前期にアイヌ墓の副葬品として出土する東北系箔椀について、京都市(御土居跡)の調査、北海道伊達市、余市町の調査および試料採取(放射性炭素年代測定・塗膜分析)、問題点の共有(資料の扱い方、劣化に対する対策など)、その他の移入品に関する意見交換によって考察を進めることができた。 また東北系箔椀の文様の比較・検討を目的として民具の3次元モデル作成を計画し、対象となる資料についてリサーチを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主な分析対象である漆器の中で、優先度の高い東北系箔椀の調査および試料採取を実施できたこと、次年度に予定している3次元モデル作成に関する準備が整ったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は今年度採取した試料の分析および考察、北海道(余市・道東など)、東北・北陸地方の出土・民具資料の調査および試料採取、民具(東北系箔椀)を対象とした3次元モデル作成を行う予定である。
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