研究課題
若手研究
近年わが国でも国土保全法制に結びついた考古遺跡を含む各種文化財の面的な保護が課題となる中、現行の美観形成や観光振興を主眼とする景観行政の根拠法では文化遺産的価値に基づく本質的な景観保護が未確立といえる。また遺跡環境の認識や規制手段の運用は、イタリア等にみられる確立した手法と大きく異なる。そこで本研究は、わが国の史跡を取り巻く土地利用計画に基づく規定をその環境保護に有効な手段として再編成する考察をつうじて、景観との関係で遺跡を保護する道筋を示すことを目指す。加えて、史跡を景観という集団の記憶にアクセスできる場(考古公園)へと発展させる可能性を検討し、さらなる実用的研究への応用を展望する。