研究課題/領域番号 |
23K12320
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
邱 君ニ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 客員研究員 (20971526)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 協働的な博物館活動 / オランダ / 共有の文化遺産 / 多視点 / 脱植民地化 / 包摂性 / 博物館展示 / 多視点・包摂性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、博物館の「脱植民地化」を実現させるための視点として、「多様性」「公平性」「アクセシビリティ」「包摂性」(diversity, equity, accessibility, inclusion;DEAIと呼ばれている)の実践が重視されている。その場合、国際間の協調と連携が求められ、「さまざまな立場を持つ人びと」との協働的な活動の方法論を構築する必要がある。本研究では、オランダで推進されている「共有の文化遺産」という概念と博物館活動を取り上げ、検証を行ない、博物館における「さまざまな立場を持つ人びと」が協働でき、多様な視点が包摂できる方法論を提示することを目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、オランダで推進されている「共有の文化遺産」という概念と博物館活動を取り上げ、検証を行ない、博物館における「さまざまな立場を持つ人びと」が協働でき、多様な視点が包摂できる方法論を提示することを目標としている。 初年度にあたる2023年度は、オランダにおける「共有の文化遺産」の概念、政策背景と一連の推進プログラムの変遷を整理した上で、その実態を明らかにするために、オランダ文化遺産庁、アムステルダム国立美術館、アムステルダム博物館、Dutch Center for International Cultural Cooperationを中心に、関係者への聞き取り調査を行った。特に、文化政策により推進された「共有の文化遺産」の概念が、いかに文化遺産をめぐる「さまざまな立場を持つ人びと」が「協働」するに至ったか、どのように博物館活動の助成予算を通じて、博物館現場に推進されているのか、現地調査を行った。 また、オランダで行われた実践の特徴を浮かび上がらせるため、「脱植民地化」が進められているフランスのカルナヴァレ美術館、ケ・ブランリー美術館、ルーヴル美術館、イギリスの大英博物館、Museum of London Docklandsを中心に、博物館の展示調査及び関係者インタビューを行った。博物館における「脱植民地化」という大きな潮流のなかにありながらも、オランダとは異なる実践方法と議論方向がわかった。 現在は、調査で得た知見を往復させながら関係者と議論を続けているが、調査研究の進捗状況に応じて国内外にて成果の口頭公開、研究情報の国際発信を行いつつ、現段階での成果をまとめることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通り調査を遂行できたため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続きアムステルダム国立美術館、アムステルダム博物館、熱帯博物館(Wereldmuseum Amsterdam)を中心に調査を行う予定である。また、第三者の立場から2024年度の「論争のある歴史認識について語り合う研修」で参与観察を行う。ここでは、研修がどのように多視点の包摂、また協働関係に影響を与えたかについて、異なる立場の関係者に聞き取り調査を行う予定である。研究結果は、引き続き、学会報告・論文等の形で発表していく予定である。
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