研究課題/領域番号 |
23K12321
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
濱 侃 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (10851579)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | リモートセンシング / テロワール / 食味 / タンパク質含有率 / スマート農業 / 精密農業 |
研究開始時の研究の概要 |
日本を代表する食である米は,その食味に地域性や水田ごとの個性が現れる。米の食味を気象データやセンシングデータから推定できれば,産地の地域性や水田の個性を説明する米のテロワール(食味の決め手になる自然環境の特性)を探る手がかりとなる。本研究は,気象データとドローンを用いたセンシングを基盤とした米の食味に関わる成分および食味の推定手法を確立する。さらに,確立した手法を衛星データ等を用いて日本全国に拡大し,食味の地図化と地域性・テロワールを解明する。本研究により,自然地理学における食味と米のテロワールの議論が可能となり,新たな視座に基づいた地理学における食に関わる研究領域の発展が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,気象データとリモートセンシングを用いた米の食味推定手法の確立とそれを用いた米のテロワール(食味の決め手になる自然環境の特性)の解明である。そのために,A. リモートセンシングを用いた玄米タンパク質推定手法の確立,B. 気象データを用いたアミロース推定手法の開発,C. 食味の評価手法の確立と食味の地図化,地域性・テロワールの解明,以上3点(A~C)の答えを出すことを目的とする。 2023年度は,目的Aの玄米タンパク質含有率推定手法の確立のために,2015年から観測を継続している千葉県の試験圃場の多年度の観測データを用いて,気象要素に起因する玄米タンパク質含有率の変動を解析した。その結果,登熟期の日射量が大きいほど玄米タンパク質含有率が低くなった。ただし,玄米タンパク質含有率の変動に対する気象要素の影響度は,ドローンを用いたリモートセンシングで得られる植生指数(正規化差植生指数:NDVI,正規化差緑植生指数:GNDVI)と比較すると小さかった。ドローンで得られる植生指数は稲体の窒素吸収量と密接に関係する指標であるため,玄米タンパク質含有率の変動において窒素吸収量が支配的な要因であるとする既報と整合的な結果となった。この成果は,2024年3月に開催された日本農業気象学会で発表した。 また,玄米タンパク質含有率推定において重要なドローンでの植生指数の観測データが,観測時の日射条件によって変動してしまうため,その補正のための研究にも着手した。具体的には,ドローンに搭載されている入射光センサーおよびマルチスペクトルカメラの観測値を放射照度などの物理量に換算するための実験に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度取得したサンプルのアミロース含有量の分析委託費用を捻出することが出来ず,アミロース含有量推定モデルの作成が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
まずは昨年度のサンプルの成分分析を終わらせることを最優先に進める。食味推定モデルを作成した後は,そのモデルを検証するためのサンプルを確保する。また,作成したモデルを広域に拡張するための衛星データおよび気象データの収集を行う。
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