研究課題/領域番号 |
23K12332
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
川添 航 立正大学, 地球環境科学部, 専任講師 (80964220)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 在留外国人 / 宗教活動 / 宗教施設 / データベース / 多文化共生 / 都市コミュニティ / ニューカマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,地域社会において多様化する在留外国人の日常生活と宗教活動との相互関係に着目し,在留外国人を取り巻く地域構造における宗教の役割を検討しその位置付けを明らかにすることを目的とする.事例研究では,日本国内で外国人人口が増加・集中する地域を選定し,在留外国人の受容による地域社会の変化と在留外国人のコミュニティ活動・宗教活動の実態についてフィールドワークを通じ分析する.本研究の特色は,在留外国人の宗教活動を「個別の信仰」と「社会経済的・政治的背景」が結びつき日常生活の中で実践・意味づけられていくものとして捉える「生きられた宗教(Lived Religion)」の視点から捉え直す点にある.
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研究実績の概要 |
2023年度は,先行研究の整理を通じた論点整理,これまで取り組んでいた在留外国人に向けた活動を実施する宗教施設の言語別全国データベースの作成,および関東地方に居住する在留中国人キリスト教徒への聞き取り調査を実施した.英語や韓国語,中国語,ポルトガル語等で活動する在留外国人向け宗教施設については,これまでも個別事例に基づき先行研究が蓄積されてきた.しかしながら,1980年代以降の動向について,全国スケールでそれらの立地傾向を分析し,またその展開について時系列データとして整理し分析した研究はこれまでみられなかった.これらの背景からも,フィールドワークを通じた事例研究に取り組む前の予備的検討として上記データベースの作成を実施しその地域的傾向について検討した.本分析の成果は,2024年3月に実施された日本地理学会春季学術大会(青山学院大学)にて発表した.また,それらと並行して5月から11月にかけて東京都・埼玉県内に所在する華人キリスト教会,およびそれらに訪問する在留中国人世帯への聞き取り調査を実施した.聞き取り調査の結果,宗教施設には留学生をはじめとした様々な階層の信者が訪問しており,それらに応じたコミュニティ活動が展開していることが明らかとなった.また,宗教施設への訪問は必ずしも宗教的な動機のみに基づくものではなく,在留外国人どうしのネットワーク形成や子ども世代を対象とした宗教・言語教育の実施など,近年の在留外国人社会の多層化・多世代化に対応した多様な動機に基づいていた点が明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の研究について,データベースの作成や関東地方を中心としたフィールドワークを実施することができた一方で,当初計画していた東海地方,北関東地方におけるフィールドワークを十分に進めることができなかった.2024年度以降,これらの地方における在留外国人社会の転換に着目し,調査を実施していく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降も,当初の計画通り研究を推進していく予定である.特に2024年度は特に東海地方における在留外国人社会の転換に着目し,調査を実施していく予定である.また,2024年7月に実施される国際学会での発表,およびその他の学会での発表を行うとともに,学術誌への掲載を見越し研究を推進していく.
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