研究課題/領域番号 |
23K12353
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坂井 大輔 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (40805420)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 上杉慎吉 / 日本近代法史 / 法思想史 / 主権論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、憲法学者上杉慎吉の学問のあり方を、史料の網羅的収集を通じて実証的に解明することである。上杉は、師である穂積八束と同じ「天皇主権説」の担い手と見なされ、「天皇機関説」を唱えた美濃部達吉の対戦相手としてのみ長らく位置付けられていたが、近年ではそのような見方が覆されつつある。しかし、上杉の学問的活動を史料的に解明することは今日に至るまで試みられておらず、その全容は未だに不明である。そこで申請者は、これまで活用されてこなかった史料や未調査の史料を利用しつつ上杉の学問の全体像を把握することを目指す。
|
研究実績の概要 |
上杉慎吉に関する史料、またはその関連資料の収集を行なった。ハイデルベルク大学文書館では、上杉慎吉および穂積八束に関する史料を入手することができた。これらについて、引き続き分析を進めていく。 上杉慎吉の史料集活動に関する中間的な成果報告として、坂井大輔「上杉慎吉の国家論は「宗教」的か」(『法と文化の制度史』4号、2023年)を執筆した。2018年以降の上杉慎吉研究を踏まえた上で、改めて師である穂積八束との関係を問い直した論考である。この中で、飯田市立図書館において収集した史料の一部(飯田市立図書館森本資料中の「下伊那国民精神作興会収支予算決算及収入内訳」他)を活用している。 この論文と相前後して刊行された今野元『上杉愼吉 国家は最高の道徳なり』(ミネルヴァ書房、2023年)については、論文中で参照することは叶わなかったものの、書評報告を行なう機会を得た。これに基づいて、次年度に書評を執筆する予定である。 この論文では、穂積八束亡き後の上杉愼吉についてのみ検討したが、師のもとで研鑽を積んでいた時期の上杉についても検討すべきであることは勿論である。この点については、次年度に公表の機会を持ちたい。 次年度以降も、史料の収集および成果の公表を進めていく予定である。ハイデルベルクでの調査が成功裏に終わったたため、次年度はベルリン留学時代の上杉愼吉・穂積八束の足跡を辿ってみたい。今年度と同じく、学籍簿の発掘などを試みたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、史料収集および成果公表が順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き史料収集および成果公表を進める。
|