研究課題/領域番号 |
23K12356
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
本庄 萌 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (30908570)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 動物福祉法 / 畜産動物 / EU法 / Farm to Fork戦略 / 3R / 動物愛護 / 動物の権利 / 動物福祉 / 法と科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人と動物の関係を規定する動物法に着目し、西欧由来の動物保護概念「動物福祉」(Animal Welfare)を法的概念としてどのように法政策に組み込まれているかを明らかにし、日本法への示唆を明示する。具体的には、動物福祉立法を先導しているEUにおいて動物福祉がどのように法化されているかを丹念に分析し、日本における動物福祉法の適用可能性を明らかにする。その際「科学的な概念」だとされてきた動物福祉が法プロセスにおいてどのように受け入れられ、また関連法政策の議論が科学的探究を促してきたか、という法と科学の相互作用に着目する。
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研究実績の概要 |
本研究は、法概念としての動物福祉の意義を明らかにすることを目的としている。初年度である本年度は、主に以下の3点につき研究を行った。 第1に、畜産動物福祉法を国際的にリードしているとされるEU における畜産動物福祉法の概要、課題、議論展開を明らかにした。畜産動物福祉法の改正は、Farm to Fork 戦略の構成要素として現在網羅的に進められている。改正に向けた議論においては動物福祉科学の発展を踏まえることなどが目指されており、EU畜産動物福祉法が転換期にあることを『EU法研究』に公表した。 第2に、実験動物分野における動物福祉の理解を法的観点から検討した結果を書籍化した(『動物福祉と法』)。EUとアメリカの動物実験規制の立法趣旨や制定法の文言に現れた法の理想と、行政機関の解釈・運用、裁判所の解釈、市民による働きかけという法の現実の運用面の双方から実験動物福祉の実現レベルを分析した同書においては、動物実験における国際的な動物福祉原則である3R(置換え(Replacement)、削減(Reduction)、改善(Refinement)))について検討し、EU とアメリカにおける動物実験規制の文言や公文書に表れる3Rの理解と運用状況を明らかにした。 第3に、動物への配慮を基礎づける諸概念に、動物福祉を位置付ける研究に着手した。とりわけ動物福祉と並んで動物法で議論の中心的な概念である「動物の権利」と動物福祉の関係について法哲学会等で報告した。さらに、日本において中心的な動物保護概念である「動物愛護」と動物福祉の関係についてチューリッヒ大学で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
文献収集・情報収集、動物実験規制における動物福祉と法の展開をまとめた書籍の出版、EU畜産動物福祉法の改正に向けた議論状況のまとめの公表など、当初の計画通り研究を進めることができた。加えて、他の動物保護概念(動物の権利、動物愛護)と動物福祉の関係の検討に着手しており、当初の計画以上に進展している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、主に以下の2つの視点から研究を進めたい。 ① 動物に配慮する諸概念に動物福祉を位置付ける研究の継続、活字化 動物に配慮する諸概念(動物の権利、動物愛護等)と動物福祉の関係の検討をさらに進めて、活字化を計画している。これにより、動物福祉の特徴、意義、限界がより明らかにすることを目指す。 ② 動物福祉概念が法に組み込まれるプロセスの解明 EUの畜産動物福祉法を素材として、動物福祉法概念が法に組み込まれるプロセスを検討する。EU畜産動物福祉法については、『EU法研究』において概要、課題、議論展開を明らかにし、その輪郭は描かれ始めたといえるが、畜産動物福祉法の形成過程や発展状況ついての緻密な検討をさらに進めたい。とりわけ、法の制定、解釈、運用の段階で動物福祉研究者が果たしている役割と、その役割を受けた法概念としての動物福祉の理解への影響について仔細に検討することを予定している。
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