研究課題/領域番号 |
23K12365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇弘 九州大学, 法学研究院, 准教授 (30825683)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 行政裁量 / 行政庁の処分 / 行政契約 / 行政法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「立法者は如何なる場合に、行政が採るべき手段を指定することが出来るのか、あるいは指定すべきか」という本研究の「問い」の中でも、如何なる場合に立法者は、「行政契約」を排し、「行政庁の処分」を指定することが出来、あるいは指定すべきか、という問題(行政側から見ると、「行政庁の処分」と「行政契約」の代替可能性・不可能性)について、各種の事例を統一的に説明することができる行政法理論を構築するものである。
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研究実績の概要 |
本年度は、研究課題である行政庁の処分と行政契約において共通して問題となる行政裁量について検討を行った。 具体的には、最三小判令和5年6月27日民集77巻5号1049頁等で問題となった公務員に対する種々の行政庁の処分(懲戒免職処分、退職手当支給制限処分)を素材として、行政が裁量権を行使する場合に考慮・衡量すべき諸要素を法令・条規からどのように抽出すべきか、抽出された諸要素をどのように考慮・衡量すべきか(あるいはすべきでないか)、裁判所は行政庁の裁量をどのように審査すべきかという問題を検討した。この検討の結果、司法審査の抽象的判断枠組に対して、行政庁の処分における考慮要素が大きな影響を与えること、具体的審査では、不利益処分を課す必要性も不利益処分により課される不利益も、行政庁や裁判所による考慮要素(間)の衡量に左右されることなどを明らかにした。合わせて、行政庁の処分でも行政契約で問題となる行政地震による行為規範(行政規則)は、裁判においてどのように取り扱われうるか、という問題についても若干ではあるが明らかにした(以上につき、拙稿「公務員関係における裁量審査――最三小判令和5年6月27日民集77巻5号1049頁を素材として」法政研究90巻4号(2024年)1頁に纏めて公表をした)。 この他、行政庁の処分はどのように特徴付けられるかという問題につき、最一小判平成16年1月15日判時1849号30頁を素材として若干の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は行政契約と行政庁の処分とに共通する行政裁量について詳細な分析をすることができた。これらの作業を通じて、行政契約と行政庁の処分が関係をどのように考えるべきか、という本研究課題の核心を見通すための基礎の一部を築くことができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
行政契約と行政庁の処分が関係をどのように考えるべきか、という本研究課題の核心を攻究するために、古典的な官吏の任用・免職を素材として検討を進めていく。
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