研究課題/領域番号 |
23K12400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
高野 慧太 中京大学, 法学部, 准教授 (40877122)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 著作権 / 支分権 / 侵害主体 / 救済 / 生成AI / 差止請求権 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、わが国の著作物利用規制の理論的枠組について、差止請求権の適格性の観点から 検討するものである。技術の発展により現れた新たな著作物利用態様に対して、適切な著作権侵害の判断基準を提供することを目的とし、法と経済学的手法、比較法的手法を用いて侵害論と救済論を横断的に検討することで著作物利用規制の理論的枠組を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、わが国の著作物利用規制の理論的枠組について、差止請求権の適格性の観点から検討するものである。技術の発展により現れた新たな著作物利用態様に対して、適切な著作権侵害の判断基準を提供することを目的とし、著作物の利用に対して差止請求権を及ぼすべき正当化根拠と、日本著作権法の著作物利用規制の特徴を法と経済学的手法、比較法的手法を用いて侵害論と救済論を横断的に検討することで著作物利用規制の理論的枠組を明らかにするものである。 1年目に当たる本年度では、上記の研究対象・方法にもとづき、著作物利用規制の正当化根拠と、複数の主体が関与する利用態様における著作権侵害の救済のあり方の研究を進めた。前者については、著作権法の主たる正当化根拠とされるインセンティヴ論について、心理学における知見を整理し、これの研究報告を行った。また、後者について、特に損害賠償請求権との関係に着目し、共同不法行為や著作権侵害の幇助に関する法と経済学の関する文献を中心に、文献収集と議論の渉猟を進めている。 また、本研究の当初の研究計画では、生成AIの利活用と著作権法の問題を取り上げてはいなかったが、この問題は「技術の発展により現れた新たな著作物利用態様」に関する問題の典型的な現われであり、積極的に取り上げることとした。これに伴い、生成AI(特に拡散モデル)の利活用にかかる著作権法上の問題についても議論を渉猟しながら、特に依拠性要件及び侵害主体論について研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
著作物利用規制の正当化根拠に関する研究報告を行い、これの公表準備を進めている。著作権侵害の救済制度に関する文献渉猟は今後継続するが、中間段階の研究業績を公表準備中である。また、生成AIと著作権の問題についても、文献渉猟を進めつつ、研究業績の公表を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目については、著作権侵害の救済について、前半に米国における学説渉猟を進め、後半からはEU法上の議論の渉猟を行う。これらの研究成果について、2025年度までに論文として公表することを目指す。
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