研究課題/領域番号 |
23K12403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石間 英雄 京都大学, 法学研究科, 准教授 (30866786)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 政党政治 / 政党間競争 / 計量テキスト分析 / ネットワーク分析 / 政治的連合 / 社会的亀裂 / テキスト分析 |
研究開始時の研究の概要 |
先進民主主義諸国において、政党間競争の変化が指摘されている。新しい政治的争点の出現と既存の社会的な構造の変化がその要因であるとされ、主流政党の議席は減少する一方で、新しい政党が勢力を拡大してきた。しかし、日本の主要政党である自民党は、内部に対立があるものの勢力を維持し続けている。本研究は、連合としての政党という視点から、都市部と農村部の対立に代表されるような対立関係を調停し、組織を維持する方法を総合的に明らかにすることを目的としている。テキスト分析やネットワーク分析、実験、比較事例研究などの手法を用いる。
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研究実績の概要 |
本研究は、政党間の競争について政治的連合のあり方という側面からアプローチし、政治的アクター間の対立関係の調停や組織として勢力を維持することのできる要因について検討することを目的としている。 今年度は、文献調査にもとづく理論的な検討に加え、政党内部、また政党間対立のあり方について中心的な検討を行った。具体的には、計量テキスト分析の手法を用いて、議会議事録や選挙公約の分析を通じて、対立関係のあり方を明らかにしようとした。 1. 政党間競争に関する文献について、幅広く調査を行った。特に、欧州における新しい政党の出現に関する文献や争点競争モデルに関する文献を中心に調査した。 2.日本の国会を題材として、自民党と公明党を含む、連立政権内の差別化のあり方について、新たな測定手法を開発し、分析を行った。連立政権で首相を出していない政党の議員の発言は、基本的にはやや野党議員の発言に近く、差別化をおこなっているものの、選挙サイクルとは連動しておらず選挙協力を緊密にしており、議会での発言にもその影響があることが示唆されている。 3. 日本の地方議会を題材として、農村部と都市部における政治的争点や対立関係のあり方について検討を行った。それとは別に、日本における憲法改正争点について、政党間で争点競争がどのように行われているのか、国会議事録から、計量テキスト分析の手法を用いて調査した。 4. 日本の自民党内での連合形成のあり方を明らかにするために、議員間の資金の融通をネットワークとして捉え、協力関係を明らかにしようとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
円滑に理論的な検討を行うことができ、理論的な視座を得ることができた。それに加えて、実証分析部分については、学会報告や論文での講評を行うことができているため。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている実証分析については論文としての公表を目指す。連合形成という面について、都市部と農村部の間でのネットワーク形成のあり方について検討を進める。また、有権者に対するサーベイ実験を実施することで、政党間対立のあり方を有権者がどのように理解しているのかを検討する。
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