研究課題/領域番号 |
23K12436
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
松嵜 英也 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (20780133)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 政軍関係 / ロシア / ウクライナ / 安全保障認識 / 国際秩序観 / ユーラシア / 国際秩序 / テキスト分析 |
研究開始時の研究の概要 |
冷戦終焉直後では、類似の国際秩序観を持っていたにも係わらず、なぜ、ロシアは領土や主権などの現状変更を試みる国になり、ウクライナは現状維持国となったのか。本研究では、ウクライナとロシアの事例研究、計量テキスト分析を通して、政軍関係の発展の相違が両国の国際秩序観に与えた影響を分析する。本研究では、外部アクターの介入だけでなく、国内政治の視座も重視することで、現状維持・変更国の成立条件を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ロシアとウクライナは、ともにソ連から独立し、冷戦直後では類似の国際秩序観を持っていた。だが、次第に両国の国際秩序観は対照的になる。なぜ、ロシアは領土や主権などの現状変更を試みる国になり、ウクライナは現状維持国となったのか。先行研究は、ロシアの安全保障認識、外部アクターがウクライナの内政や外交政策に与えた影響などを明らかにしてきたが、現状維持と変更を可能にする軍事的なリソースの比較分析が不足している。 本研究の目的は、ロシアとウクライナの政軍関係の発展の違いに着目し、事例研究と計量テキスト分析を通して、両国の国際秩序観の違いが生まれた背景を明らかにすることである。ロシアでは、文民と軍の脅威認識が一致するとともに、軍の指揮系統の一元化が図られ、文民統制の再確立が試みられたのに対して、ウクライナでは軍の指揮系統が一元化されず、大統領と議会の間で、軍が分割管理されてきた。このようなロシアとウクライナの政軍関係の発展の相違は、主要な資源から国家が軍事力を生み出す能力の軍の効果性 (Military Effectiveness) や脅威認識に影響を及ぼし、両国の国際秩序観の違いを生み出したと考えられる。本研究では、両国の政軍関係から国際秩序観の違いを説明する。そのために、事例研究と自然言語処理 (NLP) によるテキスト分析を行う。事例研究では、ロシアとウクライナの政軍関係の構造や軍改革の過程などを分析する。テキスト分析では、Pythonを活用し、軍事ドクトリンや国家安全保障戦略、対外政策概念などの規範文書や政治エリートの言説を対象として、頻度分析や共起ネットワークなどを描き、事例分析では不足しがちなソ連時代との連続性・非連続性、対外認識の違いなどを確定させる。政軍関係の発展が両国の国際秩序観の相違に与えた影響を分析することは、こんにちの国際社会における現状維持国と現状変更国の成立条件を理論的に考える上でも示唆的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連分野の書籍や論文を幅広く渉猟した上に、ロシアの軍事ドクトリンや国家安全保障戦略の資料を収集した。さらにクリミアのロシア統合を巡るナラティブに関して、Pythonを用いてコーパスを構築し、集計した語彙(総語彙数は193746語)を固有名詞と社会保障、歴史認識に分類した上で、カイ二乗検定を通じて、コーパス間の語彙の出現頻度の有意差を検証した。このクリミアの論文は『ユーラシア研究』に掲載された。 ウクライナについては、脅威認識の変容や外交の歴史的変遷などを分析した。特に、ウクライナ外交については、非同盟の地位と欧州統合の構想に着目しながら、その変容を明らかにし、『防衛学研究』に掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
クリミアのロシア統合のナラティブについては、2014年以降の変化が明らかになっていないため、今後も引き続き分析する。またウクライナの政軍関係については、その内部だけでなく、諸外国からの支援の獲得も重要な側面であるため、ウクライナ外交をより深く分析する必要性がある。そのため、今後は戦略的パートナーシップについても分析する。
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