研究課題
若手研究
過去20年以上にわたる金融政策の努力にもかかわらず、日本の物価は一向に動かなかった。ところが今、新型コロナウイルス感染症の流行とそこからの回復の過程で、日本の物価が動こうとしている。本研究では、なぜ物価が動きつつあるのかに焦点を当て、ミクロデータを用いた実証分析を通じてその答えを追究する。コロナ禍が物価を動かす要因は3つある。第1は労働力の減少であり、第2は消費行動の変化、そして第3は企業のリショアリング(生産拠点の国内回帰)である。本研究は、これらの諸要因のインパクトを実証するとともに、デフレからの脱却を果たすうえでどのような経済政策が有効であるかについて示唆を得る。