研究課題/領域番号 |
23K12472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
武田 朝美 青山学院大学, 国際政治経済学部, 助教 (70962877)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | カンボジア / インフォーマル経済 / 衛星夜間光データ / 企業登録 |
研究開始時の研究の概要 |
途上国では、全労働者の7割以上が政府の監督や国家の登録外で行う非公式経済活動での労働に従事し、その規模はGDPの約3分の1近くを占めると試算されている。しかしながら、なぜ多くの企業が非公式経済に留まるのか、その解明は進んでいない。 本研究は、カンボジアを例に、事業所の国勢調査データを用い、非公式経済のメカニズムについて解明する。具体的には、企業登録のオンライン化が企業の事業登録、及び企業の経営状況に与える影響について実証的に分析する。また、非公式経済における統計情報不足の問題を補う為、リモートセンシングデータが、インフォーマル・セクターの経済情報を予測する強力なサポートツールになることを示す。
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研究実績の概要 |
本研究は、途上国におけるインフォーマル経済のメカニズムについて解明することを目的に、カンボジアにおける企業登録のオンライン化がインフォーマル企業の事業登録、及び経営状況に与える影響について実証的に分析する。また、衛星夜間光データに代表される、リモートセンシングデータが、途上国における企業の経済指標を予測する強力なサポートツールになることを示す。 令和5年度の主要な研究実績は以下の通りである。 まず始めに、カンボジア経済センサスデータ2022、及びArc GIS Proのライセンスの購入を行い、入手済みのカンボジア経済センサスデータ2011と経済センサスデータ2022のデータクリーニング(地域コードの修正、変数名の統一等)、及びデータ構築を行った。また、リモートセンシングデータの取り扱いと分析方法に関するセミナー、及びArc GIS Proの集中基礎講座を受講した。また、リモートセンシングデータを用いた分析を実施している研究者との意見交換や学会参加を通じ、情報収集を行い、文献レビューを行った上で、研究手法の検討を重ねた。その後、2011年及び2022年の衛星夜間光データ(Harmonization of DMSP and VIIRS nighttime light data)を入手し、Arc GIS Proにおけるマップへの取り込みを行った。現在は、カンボジア経済センサスデータ2011・2022の記述統計分析(インフォーマル、及びフォーマルセクターにおける雇用数、売上、経費、賃金、付加価値の計算、産業別のフォーマル・インフォーマルセクターの成長要因の分析)を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載の通り、初年度は、カンボジア経済センサスデータ2011と2022のデータクリーニングとデータ構築、及び経営指標(雇用数、売上、経費、付加価値)の記述統計分析を行った。また、令和6年度に計画していた衛星夜間光データの地理情報システム(ARC GIS Pro)への取り込みはすでに実施済みであり、計画より進展している。しかしながら、初年度に実施予定であった企業調査は、令和6年度に持ち越す予定である。以上のことから、課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続きカンボジア経済センサスデータ2011と2022の記述統計分析を実施する。具体的には、両年におけるインフォーマル・フォーマルセクターごとの経営指標(雇用数、売上、経費、付加価値)の計算を①産業、②地域ごとに行う。その後は、衛星夜間光データと2011年・2022年経済センサスデータをマージし、企業の生産性(売上、経費)と衛星夜間光データが統計的に有意な関係かどうかを回帰分析で検証し、売上の予測モデルを構築する。 8月は、カンボジアで企業調査を行い、フォーマル企業を対象に、企業登録前後の業績の変化、新型コロナウィルス禍が企業の経済活動に与えた影響に関し、現地(プノンペン、他地域選定中)でインタビュー調査を行う。各地域での調査対象企業数は、50-100社程度。企業調査として現在想定している項目は、①新型コロナウィルス禍の前後で売上・雇用はどの位増減したか、②業種、③企業オーナーの属性(性別、教育年数等)、④フォーマル企業に移行した理由、⑤受領している政府支援策、などである。
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