研究開始時の研究の概要 |
原子爆弾による被害は, 破壊規模, 長期的な健康被害, 心理的影響において従来兵器とは大きく異なった。被災後の広島市の復興過程の分析は, 学術研究において重要なテーマである。本研究では「原子爆弾被災後の広島市の復興は,どのような過程を辿ったのか」という学術的問いに,経済復興研究の側面から取り組む。本研究は, 広島市の労働人口の中に見られる引揚者の職業活動に着目し, そこから見えてくる「労働市場」の回復過程解明を目的とする。全国で80万世帯が参加した「引揚者在外事実調査」(厚生省 1956年)の広島市分 4,722世帯分の個票データを利用し,労働市場の回復過程を帰納的に解明する。
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