研究課題/領域番号 |
23K12536
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
木田 世界 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (00887284)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リーダーシップ / 両利きのセールス / 店舗管理者 / 自動車販売店舗 / オートノミー / 両利きの経営 / サービス化 / イノベーション / 自動車産業 / 地域との共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、①異なるタイプの両利きのセールスが組み合わされる際のプロセス、②両利きのセールスの実現方法やそれに関わる環境・組織管理要因、③両利きのセールスが販売組織のパフォーマンスに与える影響を明らかにすることである。 方法は、販売組織等での事例研究・質問紙調査を行う。市場の成熟化に面する販売組織が関連サービスを展開し地域と共に生き残ることや両利きの経営・複眼的な経営に向けた知見を得たい。
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研究実績の概要 |
近年、変化する環境の中で顧客の要求に応え成果をあげるために、販売組織やセールスパーソンに求められる役割は多様化しており、複数の活動を両立する両利きのセールスが求められている。本研究では両利きのセールスがいかにして実現されるのかとその有効性を問う。 研究の意義は、複雑な関係にある諸要素をどう均衡させるかという組織管理の本質に迫りつつ、市場の成熟化による製品販売の低迷に直面する販売組織が生き残るための知見を提供することである。 本研究では、関東地方の自動車販売店舗における店舗管理者へのアンケート調査を行い、定量分析を行った。その中では、両利きのセールスを推進する要因としての管理者のリーダーシップ、組織の公式化、カスタマーターゲッティングなどの効果の分析を行った。結果として、店舗管理者が部下の自主性を重視したリーダーシップを用いることは店舗推定売上(新車)にポジティブな影響を与えており、自動車販売店舗という文脈でも部下の自主性を重視したリーダーシップが有効であることが示された。また、部下の自主性を重視したリーダーシップが効果を発揮するにはカスタマー・ターゲッティングのような店舗の戦略上の要因が必要である可能性を示した。つまり、カスタマーターゲッティングの明確な店舗では、部下の自主性を重視したリーダーシップが新車販売単価を押し上げる効果が促進されていた。一方で、部下の自主性を重視したリーダーシップ、カスタマーターゲッティングなどは店舗のサービス売上には貢献が見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的に順調に進捗している。今年度の実績としては、すでに実施済みのアンケート結果の分析と文献レビューであり、その成果は2024年度中に学会等で報告予定である。ただし、新規の質問紙調査・インタビュー等の実施については未着手であり、この点を加速して取り組む必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究協力者となる実務家や研究者と協力し、質問紙調査やインタビュー調査を実行していく。研究目的として両利きのセールス(販売とサービス、新規顧客と既存顧客など)を挙げているが、この課題に対しリーダーシップ、人的資本と組織成果の関係、従業員のウェルビーイングなどとの関連を意識しながら研究を行い、既存の質問紙調査の検討やアーカイブデータの活用、自販店舗以外の調査、事例研究も積極的に行っていきたい。なぜならば、両利きのセールスという複雑な課題をを実施するうえで個々人の人的資本を発展させたり、人的資本を有効活用する組織のプロセスが必要となると思われるからである。
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