研究課題/領域番号 |
23K12538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
大沼 沙樹 茨城大学, 人文社会科学部, 講師 (50800918)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 認知の分業体系 / トランザクティブ・メモリー・システム / チーム外の知識探求 / チーム / 知識の探求 |
研究開始時の研究の概要 |
企業内のチームで有用な知識を迅速に探し求めるためには、認知の分業体系の構築が重要である。この概念は、チーム内で各自が得意な専門知識を持ちながらも、互いに何の知識に詳しいかを知っている状態を指し、チーム内の知識への効率的なアクセスを促す。だが、昨今の経営環境を勘案すれば、環境変化にも対処できる創造的なタスクが求められるために、チーム外の多様な知識探求が不可欠である。既存研究では、チーム外の知識を探求するにも認知的負荷が高い点が課題となっている。よって本研究では、チームレベルで認知的負荷に対処できる、チーム外の知識探求を促す認知の分業体系メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
本年度は、チーム外の知識の探求を促す認知の分業体系の重要性や役割を明確にするために、海外文献を中心に関連研究のレビューを中心に進めた。まず、TMSの特徴である他者の知識への気づきに関して、チーム外(組織外)の視点から扱っている研究のレビューを行った。 それらの結果から、(1)チーム外の知識への気づきは個人のパフォーマンスを高める、(2)時間的分断がある場合は知識への気づきを減らす、(3)非同時性のコミュニケーション手段を用いても(2)の関係は変わらず、むしろ対面などの同時性の高いコミュニケーション手段が重要であることがわかった。チーム外の認知の分業体系に関しても一定の効果が見られることがわかったが、個人のパフォーマンスへの検討に留まり、チーム成果に対する影響を検討する研究は少ない。また、チーム内よりも知識への気づきを生む機会自体が減るために、どのように構築するかが課題となる点が示唆された。特に、コミュニケーション不備を指摘する研究が多く、TMSの初期研究から課題となっている部分でもある。本研究では、複数のチーム間を対象とするためにそれらの関係性に注目しているが、関係性を構築するにも密なコミュニケーションを必要とすることから、引き続き検討しなければならない要因であろう。外部からの知識探求の重要性が高まる中で、多様な知識に触れる機会を得るためには、複数のメンバー間でいかに他者の知識への気づきを促す体制を構築する必要があろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年11月より産休・育休に入っていたため、研究を中断せざるを得ない状況になったことから、当初予定していた文献レビューの進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き文献レビューを進める。TMS研究とネットワークおよび時間的・空間的分断と関連する研究をレビューするとともに、マルチ・チーム研究のレビューも進める。特に、チーム間の関係性がいかに想定されているかについて重点的に整理する予定である。
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