研究課題/領域番号 |
23K12548
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
倉持 一 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (80827999)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 女性活躍推進 / ダイバーシティ経営 / トップメッセージ / パーパス経営 / CSR / 障害者雇用 / 女性活躍 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイバーシティ経営(DS経営)は、重要な経営課題の一つである。しかし、これまでの複数の調査研究によれば、取締役会のダイバーシティと業績との関係には正の相関関係が認められるものの、大多数の企業はDS経営を社会的責任の遂行としか捉えておらず、DS経営と業績との関係には懐疑的だとされる。 そこで本研究は、「ダイバーシティ経営の進展と当該企業の業績との関係」を、DS経営を経営プロセスとして捉え直した上で、女性活躍と障害者雇用の2つの取組みを軸に分析し、その正当性を検証する。 本研究により、正当性が裏付けられることで、DS経営が活性化し、社会的要請に的確に応答した企業経営が拡大することが期待される。
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研究実績の概要 |
2023年度は当初の研究計画に従い、本研究の推進に必要な企業データの収集(CSR活動および業績)と基礎的な分析を行った。本研究のメインテーマは企業のパーパスおよびダイバーシティ経営と当該企業の業績との関係解明にあるが、2023年度は、①ダイバーシティ経営における女性活躍企業を抽出し業績などとの関係を分析、②パーパスを自社で明確に定義し公表している企業と当該企業の業績との関係を分析した。すでに1985年は男女雇用機会均等法が制定されているほか、これまでには女性活躍推進法の制定や改正が行われ、また、「なでしこ銘柄」の選定と公表がなされるなど、女性活躍の推進は、法律の遵守ないし主旨の尊重といった側面からも強く求められる状況にある。その反面、企業経営の実態、特に国際社会からの厳しい評価からすれば、女性活躍の推進は十分な状態にあるとは言えず、その改善が求められる。 そこで2023年度の研究は、女性活躍の推進が当該企業の業績に好影響をもたらす優良な経営モデルであることを証明すべく、女性活躍の推進が比較的に進んでいる企業を「女性活躍推進企業」として抽出し、同グループ郡のROAとROEを、CSRランキング上位企業と上場企業(いずれも重複を除く)と比較した。その結果、女性活躍推進企業の両指標とも、CSRランキング上位企業にはやや劣るものの上場企業平均よりも良好であることが明らかとなった。 また、パーパスを自社で明確に定義し社内に浸透を図っている「パーパス経営企業」のROEとトップメッセージを分析することで「社会と事業が強く結び付いたパーパス経営企業」という特徴ある経営モデルを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りのペースで進行しており、研究成果も公表できている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、入手した膨大なデータを統計処理することで、ダイバーシティ経営に関する2つの指標、すなわち「女性活躍推進」と「障害者雇用推進」と当該企業の業績との関係をより明確にしていく。それと同時に、企業のトップメッセージを継続して収集し、その変化や特徴などを分析していく。
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