研究課題/領域番号 |
23K12552
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
稲田 昂弘 京都先端科学大学, 経済経営学部, 講師 (80964717)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 能力構築 / 技術変化 / 発明者の起業 / 知識フロー / イノベーション / 知識の獲得 / 知識の活用 / 発明者の移動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業による知識の獲得と活用について、理論と経験的証拠に基づいて検討し、新たな研究の方向性を切り開くものである。近年、多くの企業が社外の知識を活用してイノベーションを生み出す「オープン・イノベーション」活動を推進している。ただし企業は多様な知識を獲得しつつも、社内の既存知識を活用するというパラドックスに直面している。そこで本研究は、企業間の知識の流れ(知識フロー)と企業の競争優位の関係を、新たなデータを活用した実証分析とモデル分析によって検討し、以上のパラドックス解決に示唆をもたらす。経済学・生態学という隣接分野から概念や手法を取り入れ、知識フロー研究を拡張するという貢献が期待できる。
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研究実績の概要 |
【目的①】ドイツの企業・発明者・特許がマッチされたデータへのアクセス権を得て、利用可能な変数について理解を深めた。研究協力者との議論を経て、発明者による起業(inventor entrepreneurship)という、これまで十分に研究されてこなかったテーマを検討するためにこのデータが有効であることが分かった。そのため賃金プレミアムから、起業あるいはスタートアップ企業に移動した発明者の特徴(バックグラウンド、特許の生産性、移動先での役割など)に焦点を移すことを決めた。2024年3月のワークショップで研究計画を報告し、ポジティブなフィードバックを得た。 【目的②】2023年度は主にこちらのテーマを中心に研究した。企業が獲得した知識をどのように活用するのか、特に新たな知識(と既存の知識)にどれだけのリソースを配分するのか、について検討する数理モデルを構築した。具体的には、企業が技術変化に対応して新旧技術へのリソース配分を変える、というダイナミクスを扱うために、新技術への対応性(adaptiveness)というパラメータを設定し、技術にリソース配分をすることで、ケイパビリティ(operational capability)を構築し、効率的に収益を生み出せるようになる、というメカニズムを取り入れた。新技術のマーケットの成長には不確実性があり、対応性が高すぎても過剰投資になるが、逆に低すぎても技術変化に対応できずパフォーマンスが低下する、という企業が直面する課題に対して示唆を与えられるモデルとなった。2023年8月のAcademy of Management Annual Meetingで行われたワークショップでフィードバックを受け、2023年12月にAcademy of Management Reviewというトップジャーナルからコメントを得た(結果はRejectとなった)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【目的①】については当初の計画から方向性を変更しており、データの分析にまだ着手できていないという点で、やや遅れがある。またデータ分析を担当する研究協力者が家庭の事情で十分な時間をプロジェクトに割くことができなかった。ただしその期間にも先行研究レビューを進め、データ分析の方向性を固めることができたので、あとは分析を実施するだけというフェーズにある。【目的②】についてはモデルを作成し、フィードバックを受けて改善するというプロセスをうまく回すことができており、先行研究への貢献も明確になっている。改善されたモデルをベースに論文を改訂しており、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
【目的①】については分析を実施する段階にあり、研究協力者を雇ってスピーディーに進めていきたい。【目的②】については論文の改訂を進めており、2024年8月のAcademy of Management Annual Meetingで行われるワークショップでの報告を目指している。それ以外にも、オンラインミーティングやオンサイトのワークショップ参加の機会を活用して、関連分野の研究者からフィードバックを受けて、2024年12月頃までには投稿し、トップジャーナルでのR&Rプロセスに進むことを目指す。
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