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消費者の購買意思決定過程における視線パターンに基づく心理状態の推定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12562
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分07090:商学関連
研究機関北海学園大学

研究代表者

村上 始  北海学園大学, 経営学部, 講師 (60801868)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード消費者行動 / 眼球運動 / 意思決定
研究開始時の研究の概要

本研究は,消費者の意思決定過程における視線のパターンから心理状態(例えば,混乱や情報過多,決定への確信度)を推定する方法を確立することで,消費者理解に役立て,消費者の意思決定支援やマーケティングに貢献することを目的とする。眼球運動は購買意思決定のメカニズムを知るための有用なツールとして用いられてきた。これまでの眼球運動測定装置を用いた意思決定過程の研究では,視線の移動パターンを用いた,意思決定の仕方などの認知的側面の検討が中心であり,視線パターンから心理状態の予測や推定は十分に検討されていない。そこで,複数の視線パターンの中からある心理状態と対応する共通のパターンを同定する手法の開発を行う。

研究実績の概要

第19回日本感性工学会春季大会にて,研究報告(心理評定尺度と関連のある視線パターンの簡易な抽出方法の提案)を行った。
本研究課題において,眼球運動を画像として表したうえで非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization; NMF)や特異値分解による次元縮約により視線のパターンと個人ごとにその重みを抽出し,意思決定における心理状態に関する評定尺度との関係について相関係数を用いて検討していた。
上記の研究報告では,このような試みにおいて,NMFや特異値分解によるパターンの抽出を行わず,より単純な方法を用いて,心理評定尺度と関連のある視線のパターンを抽出する方法を提案した。この手法の提案により,従来はNMFなどで視線のパターンとその重みから,相関係数を用いて意思決定における心理状態との関係を検討していたが,より直接的に,意思決定時の心理状態に関係する視線パターンの抽出ができるようになった。
また,生命保険論集にて,保険の説明書を見て,その保険に加入するか否かを決める際の視線データに対して,本研究課題でも用いている眼球運動の分析方法を適用し,報告した。具体的には,保険の補償内容の説明書を読んでもらう前にその保険を取り扱っている企業のシェアを教示し,シェアが大きい場合と小さい場合で,保険の補償内容の説明書の見方や保険の補償内容の説明書の理解度が変わるかを検討した。この際,特定の視線パターンの重みと理解度との関係がシェアの大小で異なるかということや,シェアの大小で群を分けたときに視線パターンの重みの正負が,シェアの大小で異なりそうな場合には,シェアの大小で特徴的な視線パターンの抽出を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は,現実環境の実験を行う予定であったが,2024年度予定していたVR環境での実験も前倒しで実施を進めている。これにより,2024年度は,現実・VR環境に加え,ディスプレイ上での実験環境についても検討を行う予定である。このように,現実・VR環境だけでは なくディスプレイ上での環境においても検討することで,より広範な環境において共通した傾向あるいは環境に固有の傾向が認められるか検討を進めている。ただし,現実・VR環境でのデータ取得上の問題点もあったため,その問題点を克服するような実験の計画も進めている。

今後の研究の推進方策

上述のように,2024年度は,現実・VR環境に加え,ディスプレイ上での実験環境についても検討する予定である。また現実・VR環境でのデータ取得上の問題点も浮かび上がったため,その問題点を克服するような実験を実施する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 眼球運動測定装置を用いた保険の加入意思決定に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      村上 始・川杉 桂太・藤井 陽一朗・竹村 和久
    • 雑誌名

      生命保険論集

      巻: 2023 ページ: 115-153

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Multiattribute regret: theory and experimental study2023

    • 著者名/発表者名
      Fujii Yoichiro、Murakami Hajime、Nakamura Yutaka、Takemura Kazuhisa
    • 雑誌名

      Theory and Decision

      巻: 95 号: 4 ページ: 623-662

    • DOI

      10.1007/s11238-023-09936-w

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 心理評定尺度と関連のある視線パターンの簡易な抽出方法の提案2024

    • 著者名/発表者名
      村上始・川杉桂太・竹村和久
    • 学会等名
      第19回日本感性工学会春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カルバック・ライブラー情報量の積分モデルの実験による検討2024

    • 著者名/発表者名
      平木琴音,西村健汰,村上始,川杉桂太,左浩然,竹村和久
    • 学会等名
      第19回日本感性工学会春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 保険の意思決定における決定方略の効果2024

    • 著者名/発表者名
      大岩歩香,塩野園実,村上始,川杉桂太,藤井陽一朗,竹村和久
    • 学会等名
      第19回日本感性工学会春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自由エネルギー原理と確率荷重関数2023

    • 著者名/発表者名
      竹村和久,村上始
    • 学会等名
      日本理論心理学会第69回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カルバック・ライブラー情報量から導出した心理物理関数の推定2023

    • 著者名/発表者名
      高正月,村上始,左浩然,川杉桂太,竹村和久
    • 学会等名
      日本理論心理学会第69回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 他者の視点をどうしたら取得できるか:心理実験による日常儀礼の効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      竹村和久,板橋珠恵,中島穂,村上始
    • 学会等名
      第14回横幹連合コンファレンス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] コロナ禍における規範的意思決定とその数理モデル2023

    • 著者名/発表者名
      村上始
    • 学会等名
      国立保健医療科学院公開シンポジウム2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 事前情報と意思決定における非線形な確率の重み2023

    • 著者名/発表者名
      竹村和久,村上始
    • 学会等名
      日本リスク学会第36回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 保険加入の意思決定における眼球運動の分析2023

    • 著者名/発表者名
      川杉桂太,村上始,藤井陽一朗,竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会 第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 投票者間に相関を持たせた陪審定理のシミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      村上始,川杉桂太,玉利祐樹,井出野尚.中丸麻由子,竹村和久
    • 学会等名
      産業・組織心理学会 第38回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 意思決定における眼球運動の画像解析2023

    • 著者名/発表者名
      川杉桂太,村上始,藤井陽一朗,竹村和久
    • 学会等名
      日本行動計量学会 第51回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 集団意思決定の数理モデルと計算機シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      村上始,川杉桂太,玉利祐樹,井出野尚,中丸麻由子,竹村和久
    • 学会等名
      日本行動計量学会 第51回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 眼球運動測定装置を用いた保険の加入意思決定に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      村上始,川杉桂太,藤井陽一朗,竹村和久
    • 学会等名
      2023年度5月保険学セミナー(東京)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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