研究課題/領域番号 |
23K12563
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
古江 奈々美 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 講師 (20843882)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 革新的な新製品 / 新技術 / コンセプト / 可視化 / 伝達方法 / 新製品開発 / デザイン思考 / 企画 / プロトタイピング |
研究開始時の研究の概要 |
新製品開発において重要なコンセプトを洗練させていく必要があるが、十数年先の長期の未来市場を見据えた「革新的」な新製品のコンセプトに関しては、飛躍があるために周囲から理解されにくいため、良質なフィードバックを得ることが難しい。本研究は、革新的な新製品のコンセプトを、瑕疵なく他者に共有するために最適な方法を確立することを目的とする。革新的な新製品のコンセプトに対する他者の反応および認識を検証するための実験調査を設計し、コンセプトの共有方法を変えた際の、他者の反応および認識の変化の具体的内容について実証的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、十数年先の長期の未来市場を見据えた「革新的」な新製品のコンセプトについて、構想者の意図を正確に他者に共有するために最適な方法を確立することを目的とする。2023年度は、革新的な新製品(新技術)のコンセプトの伝達方法や受け手の印象に関する既存研究の文献調査を計画通りに実施した。 新規性の高い商品の伝達方法に関するマーケティング領域の先行研究を中心に、サイエンス・コミュニケーションや将来ビジョンをステークホルダーに説得するための技術に関する文献など、幅広く文献レビューを行った。文献調査を通じて、①提供情報の粒度のジレンマ:新規性の高い製品の理解は抽象的なレベルにとどまるものの、具体的な情報を提供すると受け手側の学習コストが発生するため、製品に対する評価が下がる、②説得方法のジレンマ:説得性のある将来ビジョンには確からしさと望ましさが求められるが、二つはトレードオフの関係にある、という、新規性の効果的な伝達方法を思索する上で考慮すべき複数のジレンマの存在を確認した。今後、①に対しては、情報粒度と表現の忠実度がどのような関係にあるのかをさらに研究し、理論を発展させていく。例えば、高忠実度の映像は、短文による表現よりも具体性が高いが、我々は経験的に「百聞は一見に如かず」ということを知っている。②に対しては、確からしさと望ましさの最適解がどこにあるのかを、実証的に解明していく。 これらの文献レビューの結果は、別途実施した次世代空モビリティの3つの映像作品を用いた簡易的な印象比較調査の結果と併せて、2024年度に開催される国際会議にて報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献調査を通じて、革新的な新製品コンセプトの伝達度合いに影響する複数のパラメーターの示唆が得られたものの、本来ならば2023年度に着手し始めていた実験題材である、革新的な新製品の架空のコンセプトの作成に取り掛かることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
革新的な新製品コンセプトの伝達方法に関する仮説構築と並行して、革新的な新製品開発に従事した経験のある専門家やデザイナーに協力を得ながら実験題材の作成に取り組む予定である。2023年度の遅れを取り戻すためにも、実験題材の作成の協力者と綿密なコミュニケーションを図り、作業を遂行する。仮説構築と実験設計が完了した段階で、小規模サンプルを用いたパイロット調査を実施する予定である。
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