研究課題/領域番号 |
23K12571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
國枝 陽輔 同志社大学, 商学部, 助教 (60881026)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 顧客基盤の集中化 / 企業間取引 / 戦略投資の変化 / マーケティング・チャネル / 顧客関係管理 / 顧客特性 |
研究開始時の研究の概要 |
企業間取引においては、販売先を特定少数の顧客企業に限定するか、あるいは、広範囲に分散させるかということが1つの重要な意思決定となる。本研究では、前者に関連して、顧客基盤の集中化(customer-base concentration) がサプライヤー企業の戦略変更に及ぼす影響を明らかにする。特に、①全社的な戦略的投資の変化、②知識探索の変化、③マーケティング戦略の変化という、3つの側面から調査を行う。本研究は、取引関係要因や顧客特性に焦点を当てた調査を通じて、マーケティング・チャネル研究に貢献する。また、集中型取引の利点や欠点について包括的な視点を提供することで、顧客関係管理の実務に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、顧客基盤の集中化がサプライヤー企業の戦略変更に及ぼす影響について、①全社的な戦略的投資の変化、②知識探索の変化、③マーケティング戦略の変化という、3つの側面から調査を行っている。2023年度中には、このうち2つの内容について、分析と執筆を進めた。また、本研究のテーマに関連して、以下の2つの論文が査読付きジャーナルに採択された。 1つは、顧客基盤の集中化が特許と財務成果の関係に及ぼす影響を調査した論文である。特許取得が財務成果に及ぼす影響については、これまでの調査で一貫性のない結果が報告されてきた。これに対して、同調査では、特許取得活動と財務成果の関係を変化させる要因として、顧客基盤の集中化に注目した。少数顧客との強固な関係が特許取得活動と成果の関係をポジティブに変化させることを明らかにすることで、過去の調査の不一致について1つの解釈を提供しながら、実践的な顧客関係管理の指針を示した。 もう1つは、顧客基盤の集中化と財務成果の関係が、顧客特性によって変化するかを調査した論文である。顧客基盤の集中化に関する研究では、暗黙的に、主要顧客がユーザー企業となる状況 (部品や設備品としてサプライヤーからの供給品を顧客企業が直接利用する状況) が想定されてきた。これに対して、製品を再販売する流通業者が主要顧客となる場合には、顧客基盤の集中化が従来の想定と異なる影響を及ぼす可能性を示した。追加調査が必要という点で限界はあるものの、顧客特性を軽視してきた過去の調査に対して、新たな視点を付与したといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3つの論文(調査)のうち、2つが投稿前修正の状況にある。大きな遅れではないものの、1つ目の論文は、投稿時期が予定よりも遅れている。本研究に対する助言を受けて、分析内容を修正していることが、その主な理由である。2024年度中に、2つの論文を完結させるとともに、もう1つの調査データを収集することで、当初の計画に追いつく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
投稿前修正の状況にある2つの論文を完成させ、9月までに英文ジャーナルへ投稿する予定である。また、3つ目の論文として計画に入れていた内容についても、データ収集を並行して進める予定である。3つ目の論文については、一部テキストデータを新たに利用するため、そのデータ収集の方法についても、2024年度の9月までに確認する予定である。
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