研究課題/領域番号 |
23K12572
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
石井 隆太 立命館大学, 経営学部, 准教授 (80842872)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | マーケティング・チャネル / 流通チャネル / マルチ・チャネル / 国際マーケティング / 輸出チャネル / 海外販路拡大 / 企業間クチコミ / パートナー選択 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、海外市場におけるデュアル・チャネルの対立を抑制する要因を探究する。実証分析のために、海外輸出を行っている日本の製造企業に対して、大規模アンケート調査を行い、データを収集し、その多変量解析に取り組む。海外市場におけるデュアル・チャネルの対立に着目することによって、本研究は、チャネル研究の理論的進展に貢献すると共に、海外市場に進出する日本企業に対して有用な示唆を提供できるだろう。
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研究実績の概要 |
「デュアル・チャネル構造におけるチャネル同士の対立」と題する本研究プロジェクトでは、「なぜ、海外市場でデュアル・チャネルを採用しているにもかかわらず、対立を抑制できる製造企業が存在するのか?どのような抑制方法が有効なのか?」という問いに取り組んでいる。研究プロジェクトの1 年目に該当する本年度は、既存文献のレビューを行うと共に、予備的調査・分析を行った。具体的には、まず、既存文献のレビューを行うことによって、チャネル同士の対立の規定要因として、海外取引相手に対するパワーの使用タイプに注目することが重要であるということを把握した。さらに、そもそも海外取引相手と対立を起こさないようにするためには、海外取引相手を、他の企業や外部機関(国や地方自治体)からのクチコミ紹介で選択することが重要であると判断された。そこで、このクチコミの効果を検討するべく、既存のサーベイデータを使用して、実証分析を行った。その結果、海外取引相手をクチコミで選択することは、協力に重きをおく組織文化をもつ企業や権威を重視する組織文化をもつ企業にとっては、非常に効果的であり、チャネル間の対立を抑制して、関係性満足を高めやすいということが示された。また、顧客の嗜好や市場の競争などの点において、国家間の制度的差異が大きい状況においても、クチコミを利用した海外取引相手の選択は、関係性満足を高めやすいということも見出された。なお、そうでない状況においては、クチコミを利用することで関係性満足が高まるわけではない。こうした分析結果は、マーケティング分野の国内学会で成果報告が行われると共に、厳しい査読を経て、流通およびBtoBマーケティング分野におけるトップの海外査読雑誌である『Industrial Marketing Management』に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究プロジェクトの1年目は、既存研究レビューまでを実施する予定であったが、レビューを完了して、注目するべき要因を同定することに成功しただけではなく、予備的な分析として、海外取引相手のクチコミによる選択の効果についての実証分析を行うことができた。そのため、現在までの進捗は、「当初の計画以上に進展している」と評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように、チャネル対立に関する既存文献のレビューを行うことによって、チャネル同士の対立の規定要因として、海外取引相手に対するパワーの使用タイプに注目することが重要であると判断された。そのため、今後は、チャネル対立を抑制するための方策として、製造企業によるパワーの使用に注目し、どのような種類のパワーがチャネル同士の対立を抑制するために有効であるのかを検討する。具体的には、パワーの受け手である流通業者からサーベイデータを収集し、製造企業からのパワーに対する反応を検討する予定である。
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