研究課題/領域番号 |
23K12576
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
豊崎 仁美 茨城大学, 人文社会科学部, 講師 (90913179)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | マネジメント・コントロール・システム / 業績評価システム / イネーブリング・コントロール / 目標の困難度 / ジェンダー平等 / システム設計 / 心理的メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
従業員が業績評価システム(PMS)を「自分の仕事をよりうまくこなせるようサポートしてくれる仕組み」と認識している場合に,PMSの有効性が高いという主張がある。このようなPMSは促進的PMSと呼ばれ,従業員自らが主体的に環境適応行動をとることを可能にする4つの設計要素(内部透明性・全体透明性・修復性・柔軟性)を持ったシステムのことを指す。本研究では,①促進的PMSの一般従業員の心理への影響,②促進的PMSの指標の内容及びその開発プロセス,③促進的PMSが有効に機能する組織の特徴,を明らかにし,一般従業員のための促進的PMSが有効となるメカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
第一に,目標の困難度が業績に与える関係に対して,促進的業績評価システム(以下,イネーブリングPMSとよぶ)が調整効果をもつかの検証を行うことができた。目標の困難度と業績の間には非線形の関係があると予想し,イネーブリングPMSの下で,非線形関係が変化するだろうと仮説を立てた。この仮説を検証するために,日本の企業の従業員を対象としたサーベイ調査を行った。その結果,目標の困難度とパフォーマンスの関係に逆U字の関係が見られた。加えて、イネーブリングPMSが目標の困難度と業績の非線形関係を調整される傾向が見られた。本研究結果は,現在査読付き国際ジャーナルに投稿中である。 第二に,アンケート調査によって心理的変数についてもデータを取得することができた。 第三に,イネーブリングコントロールの有効性に影響を与える可能性がある状況変数に関する文献調査(特にジェンダーの平等の程度)も進めることができた。この調査結果については,査読付き国際ジャーナルへの投稿を準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イネーブリングPMSと目標の困難度,パフォーマンスの関係を示すことができた。また,心理的変数についても調査でデータを取得済みであるため,次は心理的メカニズムを踏まえた検証を行う予定である。さらにイネーブリングPMSの有用性を左右する可能性のある状況変数に関する調査も進められているからである。
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今後の研究の推進方策 |
まず,イネーブリングPMSとパフォーマンスの関係について,心理的変数を導入して,メカニズムの解明を行う。次に,マネジメントコントロールシステムとジェンダー平等に関する文献レビューの結果を踏まえて,調査によって示されたフレームワークをもとにイネーブリングコントロールとの関係の理解を深めることを目指す。最後に,業績評価システムの指標の内容および指標の開発プロセスに関する質的調査を進める。
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