研究課題/領域番号 |
23K12595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 優香 筑波大学, 人文社会系, 研究員 (60907799)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 移民の子ども / 教育支援 / 親へのサポート / ドイツ / 日本 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、移民の子どもの教育達成における親への支援に着目するものである。移民の親が移住先国の言語を十分に身につけられず、教育・進学制度を理解できないことが子どもの教育に負の影響をもたらすとされる。しかしこの課題に対して、移民の親の学歴や言語能力、就労状況、滞在期間、帰国希望などの変数と子どもの教育との関連が十分に示されてきたとは言えない。そこで、「移民の親が直面する情報獲得の壁」と「教育に関する情報獲得の場」という2つの視点に基づく国際比較研究を行う。この調査を通じて、移民の親が置かれている状況や子どもの教育的課題を明らかにし、移民の子どもの教育環境の改善に向けた親への支援策を探る。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、移民の子どもの教育達成にむけて、親の役割や親が直面している課題を明らかにし、必要とされる親への支援について検討することを目的としている。そのため初年度は、移民家庭が抱える子どもの教育をめぐる課題について、その実態把握を行った。具体的には、移民の子どもの教育的課題や移民第二世代に関連する先行研究に基づく文献調査と、以前に実施していた茨城県内地域での事前調査の結果を分析した。とくにアンケート調査の結果からは、言語能力に起因する親子間コミュニケーションの課題が浮き彫りとなった。すなわち、親が十分な日本語能力を身につけておらず、かつ子どもが親の母語を用いて学校に関連する話をすることができない場合、親子の共通する言語がないため、学校に関わる会話が十分に行われないという問題がある。 こうした実態を踏まえ、本年度は親子の共通言語習得の面に焦点をあて、母語・継承語教育のあり方について、出自言語授業が展開されるドイツの事例研究に注力した。具体的には、ドイツの公立学校における出自言語授業の導入とその発展経緯、そして存続をめぐる議論について、学校教育省や関連団体および州議会報告をもとに整理した。くわえて、近年ドイツ社会でスローガンとなっている「承認の文化」の下、文化や言語の多様性がいかにドイツ社会で承認され得るのか、公立学校での出自言語能力の評価や他教科との連携に注目した。これらの調査から明らかとなった点について、2023年12月に開催された移民政策学会にて研究報告を行った。 今後は、先述したアンケート調査にくわえ、インタビュー調査を取り入れながら、実態をより正確に把握したうえで、子どもの教育と、移民の親の学歴や言語能力、就労状況、滞在期間、帰国意識、エスニック・コミュニティとの関わり合いについて検討をくわえたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初2年目に計画していた学会発表を行うことができたため。そのうちの1つは、日本におけるブラジル人家庭の親子間コミュニケーションに関するテーマについて、国際学会で報告し各国の異なる専門家から、多様な視点で示唆に富むアドバイスを得ることができた。 一方、調査においては、協力を得られる学校の数を増やすことに苦戦しているため、学校に限らず、教育団体やボランティア団体にアクセスしながら、インタビュー調査の実施へと繋げることで、今後も計画通りに研究を進められると考える。
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今後の研究の推進方策 |
「移民の親が直面する情報獲得の壁」という課題に対して、親の在留資格、就労状況、帰国予定、教育歴、子どもの教育に対する意識などの、さまざまな変数について調査を通じて明らかにしたい。また、ホスト社会側の視点からも、教育関係者に対する聞き取り調査を実施する予定である。 つづいて、引き続き国際比較の視点から、ドイツで取り組まれている親を対象とする支援について情報収集を行い、来年度予定している海外調査の準備を進めていきたい。
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