研究課題
若手研究
本研究では、日本石炭産業の衰退期において、採炭技術が複線的発展を遂げ、それに伴って生産職場における労働態様も多様化したこと明らかにする。一般的に技術は発展とともに収斂するという見方で論じられる傾向にあるが、石炭産業の場合は、自然条件の不確実性という環境制約によって生産技術が収斂せず、複線的発展を遂げた。それに伴い、固定配番による平準化した生産が可能だった炭鉱もあれば、その時々の自然条件や作業内容に対して流動配番によって対応せざるをえない炭鉱も存在した。本研究では、三井芦別炭鉱(1992年閉山)、住友赤平炭砿(1994年閉山)、太平洋炭砿(2002年閉山)を対象に、その生産職場を比較検討する。