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結核を中心とした感染症の経験に関する自己物語の変遷についての歴史社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12608
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関関東学院大学

研究代表者

矢崎 千華 (矢崎千華)  関東学院大学, 社会学部, 講師 (30868021)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード結核 / 感染症 / 自己物語 / 歴史社会学 / 患者運動 / 治療
研究開始時の研究の概要

本調査研究は、結核を中心とした感染症の経験に関する自己物語の変遷を検討することによって、この病に固有の経験のあり方を明らかにするものである。2022年に日本は初めて結核の「低まん延国」となった。1944年のストレプトマイシンの発見以降、化学療法が広く行われるようになるまで、結核は「国民病」と呼ばれ、結核患者は身近な存在であった。にもかかわらず、社会学的研究は断片的であるため、本調査研究では、その後の先駆けとなる患者運動や生存権に関する訴訟など、感染症と現代社会との関係を捉える上でも重要である結核が、具体的にどのように経験され、人びとの物語の中に布置され、変遷してきたのかについて明らかにする。

研究実績の概要

2023年度は出張を伴わないかたちでの資料収集と文献調査が中心となった。文献調査では、感染症の歴史における結核の位置について確認した。資料収集では、ストレプトマイシンが日本でも使用可能になる1950年代前後の新聞報道から、画期的な治療薬(法)の登場に対する当時の人びとの反応を確認した。
1950年代から60年代の結核治療に関する資料収集を中心とした調査を行なったが、その他の患者運動に関する資料等については大学で契約している新聞・雑誌のデータベースを利用しての資料収集が中心となった。
また、文献調査の過程で、国家的な結核治療方針の策定や施作の決定、とくにストレプトマイシンの導入の経緯について確認する必要があると考えられたため、これに関連する国会議事録の確認作業を行なった。この作業については、今年度も継続して行う。
加えて、申請時には調査対象地域に含めていなかったが、文献調査によって沖縄県は結核に対して本土とは異なる対応が実施されていたことがわかったため、この点に関する文献・資料の収集の必要性も生じている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

人びとの結核をめぐる経験に影響を与えたと考えられる治療(薬)に関する報道内容の確認や医薬品行政、保険制度、医療体制に関する文献の確認に想像以上に時間を要しているため、各地の資料を収集する以前に確認すべき文献に目を通しきれなかった。文献調査の過程で確認する必要の生じた資料(新聞記事、雑誌記事、国会議事録)については、その都度、目を通したものの改めて整理した上での詳細な分析を行うことはできなかった。

今後の研究の推進方策

本研究では調査の対象とする期間を、I期(まん延期・明治期から戦前)、II期(爆発的まん延期・戦中から1950年代前半まで)、III期(まん延終焉期・1950年代後半以降)に区分している。
2024年度はⅠ期についての研究を進める。文献調査と並行して、神奈川県のサナトリウム関連の資料を中心として収集する。また、昨年度収集を行なったストレプトマイシン関連の資料を改めて整理し直す。
2025年度以降は、Ⅱ期について、感染者と非感染者を可視化する装置としての「予防」という観点から研究を進めるとともに、Ⅲ期の研究について、1940年代後半から1980年代までの結核治療をめぐる患者の語りについてまとめる。また、研究成果の発信も順次行なっていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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