研究課題/領域番号 |
23K12619
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 青森公立大学 |
研究代表者 |
中川 宗人 青森公立大学, 経営経済学部, 講師 (40761010)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 組織イデオロギー / 高度経済成長期 / 人間関係論 / 科学的管理 / 高度成長期 / 知識社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本的雇用システムの形成期とされる高度経済成長期を検討範囲として、いかなる「組織イデオロギー」が存在し、それが雇用システムにどのように影響したのかを明らかにする。具体的には、組織イデオロギーの展開や変遷を表す文章資料と、イデオロギーが実際の企業経営にどのように適用されたのかを表す企業資料をデータとして、イデオロギーの変遷と雇用システムとの関連を分析する。それを通じて、①戦後日本における組織イデオロギーに関する事実発見的知見の提示と、②日本的雇用システムの正社員を中心とする構造についての理解の深化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「組織イデオロギー」と雇用システムとの関連性という枠組みから、日本的雇用システムが形成された高度経済成長期を検討範囲として、同時代に影響力を持ったと考えられる組織イデオロギーの変遷を知識社会学的に明らかにすることである。これによって、日本的雇用システムについて、従来の枠組みの課題を克服し、理解を深めることが可能となる。 2023年度は、高度経済成長期の日本における「組織イデオロギー」の欧米からの伝播、日本における普及、変化、変遷などを明らかにするために、経営管理や労使関係に関わる専門雑誌を中心に資料を蒐集した。具体的には、経営者側の資料として『経営者』、経営管理の実践家や研究者など知識の担い手についての資料として『近代経営』『労務研究』、経営管理知識の企業における実践についての資料として『工場管理』、そして労働者、労働組合側のイデオロギーに対する反応についての資料として『月刊 労働問題』のバックナンバーを収集した。 また、経営・企業に関する理念やイデオロギーを対象とした研究潮流について明らかにするため、英語文献のサーベイを行った。特に2019年にThe Oxford HandbookシリーズからManagement Ideasが刊行されており、重要文献として入手した。 以上をふまえた研究実績として、海外の経営学・社会学においても、経営理念や組織イデオロギーに対する研究や方法論が蓄積されつつあることが明らかとなった。また雑誌資料の分析から、従来の研究とは異なる形で、日本における組織イデオロギーやそれと重なる経営管理学説・知識の普及についての像を描く見通しを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している。収集した雑誌資料の整理が遅れているため、これについてやや注力をしたい。
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今後の研究の推進方策 |
基本的資料の蒐集はある程度目処がついたので、今年度は研究の中心的部分である組織イデオロギーの実態解明についての作業を進めたい。これによって、高度経済成長期における日本的雇用システム形成についての新しい像を描く手がかりを得ることを試みる。 また得られた知見について関連学会等で報告することで、成果の発表を行いたい。
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