研究課題/領域番号 |
23K12624
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大島 岳 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 助教 (20880256)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | HIV/エイズ(感染症) / クィア研究 / セクシュアリティ研究 / 都市論 / ヘルス・アクティヴィズム / HIV/エイズ / 性的マイノリティ / バイオグラフィ / ライフ/オーラルヒストリー / 社会運動 |
研究開始時の研究の概要 |
性感染HIV/エイズに取り組む実践をとおして形成されるコミュニティの歴史をとらえ、社会的苦悩と未来への希望が表現されたバイオグラフィが人と人とのつながりを生成する紐帯機能をもつことと、オーラルヒストリーを共有することによるエイズアクティヴィズムの世代継承性について明らかにする。具体的には1990年代から現在までHIVなど性感染症問題に取り組んできたコミュニティを基盤とする組織(CBOs)で活動する実践者や医療者等を事例に、ライフ/オーラルヒストリーを描きだす。
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研究実績の概要 |
本研究は、性感染のHIV/エイズに取り組む実践をとおして形成されるコミュニティの歴史をとらえ、社会的苦悩と未来への希望が表現されたバイオグラフィが人と人とのつながりを生成する紐帯機能をもつことと、オーラルヒストリーを共有することによるエイズアクティヴィズムの世代継承性について明らかにする。 具体的には、1990年代から現在までHIVなど性感染症問題に取り組んできたコミュニティを基盤とする組織(CBOs)で活動する実践者や医療者等を事例にオーラルヒストリーを描きだすことで、多様な人のバイオグラフィがコミュニティ形成と文化の創出に資すること、バイオグラフィを語り聞く/読み書く共感的理解の意義をもとにした、実践のより持続的な可能性を探求することを目的とする。 現代日本において感染症やセクシュアリティへの恐怖や偏見・差別への取り組みが求められるなかで、バイオグラフィ実践とその意義を社会学的に解明し、国際的な共同研究への足がかりとすることをめざす。 エイズ危機から現在に至るまで、当事者を含むHIVと共に生きることの日常生活上の問題の支援に関わってきた個人の人生や団体の歴史に刻まれた人たちの苦悩や希望という生の痕跡を記録し、社会的苦悩論やレジリエンスの視座から具体的に検討する。その上で、水俣病やハンセン病、被爆体験、震災、原発事故の避難等からの地域復興との関連性を検討し、内発的発展論などの社会理論から日本や地域の特性等についても、分析・考察したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画以上の多くの方に調査協力を得、新しい知見を得ることができた。加えて、研究成果の一部をISA(国際社会学会)メルボルン大会の分科会RC15で研究成果の経過報告を行い、日本におけるヘルス・アクティヴィズムの側面からHIV/エイズ・アクティヴィズム取り組みについて興味関心を喚起することができた。その後、海外の研究者と共同研究に向けての協議が進んでいる状況である。 反面、円安や物価高の影響により渡航や滞在費用が想定を越えてかかるなど、研究資金が足りずインタビューデータの文字起こしなど一部を翌年度に繰り越して行う計画に変更せざるを得なくなっている。とはいえ巻き返しは十分可能な見込みである。以上により、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きフィールドワークやインタビュー調査を進め、当時HIV/エイズ対策に関わった方々により多くアプローチし、複眼的な歴史の解明と現代社会との接続をめざしたい。また、今年度も国際学会での発表を予定しているため、国際共同研究を視野に入れ研究を進めていきたい。海外ではHIV/エイズ・アクティヴィズムに関する多くの活動記録やオーラルヒストリーアーカイブズがあるため、記録を残し次世代に継承するために行われているさまざまな試みについても調査していきたい。
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