研究課題/領域番号 |
23K12628
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
横山 香奈 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 講師 (80788696)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日系アメリカ人 / 日系二世 / 移民 / 再定住 / 大学進学 |
研究開始時の研究の概要 |
日系アメリカ史の研究においては、「排日運動や強制収容」そして「成功物語」のテーマが数多く取り扱われているのに比して、「再定住」のテーマはまだ検討が不十分な面もある。そこで本研究においては、近年活発にデジタル公開されつつあるアーカイブ史料を新たに発掘することで、先行研究の少ない「収容所退去から再定住」の期間の考察を補填し、日系アメリカ人研究をより多角的な視点から問い直すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
日系アメリカ人研究においては、「排日運動や強制収容」というインパクトのある事件が際立って研究対象として着目されてきた。また、教育達成度や社会進出度、経済的達成度も高い日系アメリカ人はモデル・マイノリティと表象され、その「成功物語」の側面も研究対象として強い関心が寄せられてきた。しかし日系アメリカ史全体を俯瞰すると、「強制収容が終了し、成功物語として表に出てくるまでの期間」、つまり「収容所退去から再定住」についての期間の研究がまだ充実していないことが、戦時民間人転住・収容に関する報告書でも指摘されている。 本研究においては、日系アメリカ人研究全体を概観した際にまだ手薄となっている期間、つまり「強制収容が終了し、再定住して、成功物語として表に出てくるまでの期間」の過程の分析を進めることで、日系アメリカ史をより多角的な視点から通時的に考証する。まずは日系アメリカ人の成功要因ともなった「高等教育」の修学に着目し、その上で、強制収容所を出た西海岸出身の日系アメリカ人二世の学生らが、どのように大学進学を可能とし、新たな土地に再定住していったのか、その背景と経緯を考察することを目的とする。 2023年度は、アメリカ中西部の大学が所蔵している学内史料から、日系アメリカ人二世の学生の在籍記録や受け入れに関する経緯が残された記述がないか検索し、適切な史料を抽出する作業をおこなった。それと並行して、当時の現地新聞が日系アメリカ人二世の学生受け入れに関してどのような報道をしていたかについて検証をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1943年における日系アメリカ人二世の学生の地域別再定住先として最も割合の大きかったアメリカ中西部に着目し、その中のミネソタ州について検証をおこなった。具体的には、ミネソタ大学(University of Minnesota)、セントクラウド州立大学(St. Cloud State University)、カールトン大学(Carleton College)、セントオラフ大学(St. Olaf College)、マカレスター大学(Macalester College)が所蔵している学内史料を検証した。また、当時の現地新聞に関しては、The Minneapolis Star、Minneapolis Daily Times、Star Tribuneが日系アメリカ人二世の学生の受け入れについて報じた論調を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2024年度)は、ミネソタ州に引き続き、アメリカ中西部の州にある大学が所蔵している学内史料を調査し、日系アメリカ人二世学生の在籍記録や受け入れに関する経緯が残された記述がないか検索をおこなう。また、現地新聞での論調を検証するとともに、オーラルヒストリーのインタビュー収容アーカイブから二世学生自身の語りや、受け入れ側のアメリカ社会の様相を分析する。
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