研究課題/領域番号 |
23K12632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
久米 裕 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40638269)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 社会的フレイル / 概日リズム / ライフスタイル / 高齢期 / コミュニティ活動 / 社会福祉 / フレイル / 高齢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では社会的フレイルの改善に寄与するライフスタイルの構成要素を概日リズム機構の視点から明らかにする。対象者は65歳以上の秋田県在住高齢者、実施期間は令和5~7年度、研究目的は1)社会的フレイル状態から回復した高齢者におけるライフスタイルの構成要素を明らかにすること、2)それらの構成要素と高齢期における概日リズムの関連性を明らかにすることである。以上の研究成果から①継続されてきたフレイル予防事業がより有効な実践へと発展すること、②超高齢社会の緊急課題である社会保障費を節約した良質な介護・高齢者福祉サービスの構築に繋がる効果が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、1)社会的フレイル状態から状態から回復した高齢者におけるライフスタイルの構成要素を明らかにすること、2)それらの構成要素と高齢期における概日リズムの関連性を明らかにすることである。令和5年度の研究遂行の概要として、直近5年間を通して各自治体との連携を継続しながら、当該年度7月より認知症・フレイル予防事業が開始された。本研究の分析対象は令和4年度以降のデータとしており、令和4年度と当該年度を合わせて65名(平均年齢±標準偏差,76.0±5.9歳)が分析対象となった。。この分析対象における社会的フレイル状態の変化を分類した結果、介入前後で社会的フレイル状態に維持・改善が認められた対象は29名(維持・改善群)、社会的フレイル状態に悪化が認められた対象は36名(悪化群)であった。社会的フレイル状態の変化に応じた分類(維持・改善群、悪化群)を従属変数に設定し、概日リズム指標を独立変数とした2項ロジスティック回帰分析を実行中である。途中結果として、社会的フレイル改善群はうつ徴候や認知機能の下位項目のひとつである実行機能がその関連因子(年齢、性別、教育年数を調整因子として投入)として抽出されている。だが一方で、概日リズム指標は2群間で有意差は認められているものの、現在のところ社会的フレイルの変化との関連は見出されていない。引き続き、データを蓄積するとともに、令和6年度は国内外の学会発表や論文投稿も視野に入れて研究課題を遂行していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度に収集した分析対象データは41名であり、令和4年度の分析対象者数(24名)より増加した。COVID-19の感染拡大が弱まった一方で、研究対象となる地域住民は感染予防対策を継続しており、事業参加の中断や計測機器の途中着脱が散見された。事実、令和4年度以降の登録者数は313名(令和4年度153名、令和5年度160名)となっているが、計測機器の装着に同意が得られ、完全なデータが収集された対象者の割合は約21%に留まっている。令和2~3年度の研究登録者(128名)と比較すると、登録者数は増加しているため、感染対策および機器装着の安全性と対象者に対する利点を明示しながら、引き続き研究を遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況を踏まえて、本研究課題は概ね順調に進展している。令和6年度の認知症予防・フレイル予防事業は対象地区をさらに拡大して継続される予定であり、分析対象はさらに増加が見込まれている。本研究課題の令和6年度の実施計画は国内外の学会発表や論文執筆としており、研究成果の公表を進めていく。
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