研究課題/領域番号 |
23K12672
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
鹿田 将隆 常葉大学, 保健医療学部, 講師 (20782189)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 地域在住高齢者 / リハビリテーション / 健康関連QOL / 作業療法 / 作業同一性 / 生活支援 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者が要介護状態となっても,住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けられるように地域包括ケアシステムの構築が推進されている.要介護状態となった高齢者に対して,自分らしい生活を支援するプログラムとして確立されたものはなく,その効果の検証は事例研究にとどまっている. 要支援・要介護高齢者の自分らしい生活を聴取するための自分らしさ振り返りシート(以下,作業同一性質問紙)は開発されているが,事例研究で有用性が示されたのみである.高齢者の活動と参加を向上させるためには,支援方法の構築とその有用性を示す必要がある.また,入院中から生活支援を行うことが地域生活への移行に有用であると考える.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,自分らしさ振り返りシート(作業同一性質問紙)を用いた生活支援プログラムを構築し,地域で生活する要支援・要介護高齢者の活動と参加の向上を図ることができるか,その効果を検証することである. 自分らしさ振り返りシートは,地域在住の要支援・要介護高齢者を対象に信頼性と妥当性が検証されているが,急性期病院,回復期リハビリテーション病棟などの医療施設における高齢者を対象には検証されていない.そこで,2023年度は,自分らしさ振り返りシートが医療場面で適用できるかどうかを検討した.対象者は,医療施設でリハビリテーションを受ける高齢者であった.2024年3月末時点で92名が研究に参加した.信頼性と妥当性を検証するためには,Consensus-based Standards for the selection of health Measurement Instruments(COSMIN)によると,データ数が100名以上必要である.現時点でデータ数が不足していることから,データ分析は未実施となった. また,2024年度に実施予定である自分らしさ振り返りシートを用いた生活支援方法の検討に用いる暫定版マニュアルを先行研究に基づき作成した.アセスメントでは,「具体的な作業の特定」「作業同一性の状態」の2項目,介入方針の内容では,「作業同一性の理解」「作業同一性の形成」「作業同一性を反映した作業の支援」の3項目が作成できた. さらに,本アセスメントを用いた事例検討を行った.対象者は,訪問看護ステーションを利用する要介護高齢者1名であった.その結果,自分らしさ振り返りシートを使用したリハビリテーションは,サクセスフルエイジングに貢献する可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に自分らしさ振り返りシートの医療場面における信頼性と妥当性の検証を完了する予定であった.しかし,急性期病院や回復期リハビリテーション病棟などの医療施設では,新型コロナウイルス感染症の影響が依然としてあり,データ収集に遅延が生じた.
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今後の研究の推進方策 |
自分らしさ振り返りシートの信頼性と妥当性の検証に必要なテータ収集は2024年4月中に完了する予定である.収集でき次第,データ分析を実施する. 自分らしさ振り返りシートを用いた生活支援方法の検討をするために,専門家を募って,フォーカスグループインタビューを実施する.予定は2024年の6月から8月の期間である.そして,この研究結果をもとに開発できた暫定版マニュアルを用いて,介入研究のパイロットスタディを実施する.
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