研究課題/領域番号 |
23K12686
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
佐々木 梓沙 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (90761966)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん予防 / 分化誘導 / 香気成分 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの予防・治療において、抗がん剤の適用が困難ながんに対する新たな予防・治療方法の確立が望まれ、その一方法として分化誘導法がある。これまでに京都在来品種のウメに含有する香気成分が、大腸がん細胞に対して分化誘導作用を示すことを確認したことから、本研究では、ウメ香気成分を出発物質として、より少量で強い活性をもつ大腸がん細胞分化誘導物質を探索する。また、その活性成分の分化誘導作用機構を明らかにするとともに、動物がこれを経口摂取したときの抗腫瘍効果について検証する。
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研究実績の概要 |
日本における大腸がんの罹患数は男女ともに第二位であり,その数は年々増加し続けている.がんの代表的な治療方法として抗がん剤による薬物療法が用いられるが,多くの抗がん剤はがん細胞の分裂時に効果を示すため,進行速度が比較的遅い高分化型のがんには有効でない場合が多い.また,抗がん剤はがん細胞だけでなく正常細胞にも作用するため,効果を示した場合でも副作用が問題となる.これまで研究代表者らは,抗がん剤の適用が困難な高分化型大腸がんに対して,副作用をもたない新たな治療方法となりうると考えられる分化誘導法に着目してきた.高分化型大腸がん細胞(RCM-1細胞)に対して,京都在来品種のウメから複数の分化誘導活性物質を単離・同定している.本研究ではそれらをリード化合物とした新規分化誘導物質を探索することを目的としており,これにより,より強力な分化誘導物質の発見や分化誘導作用に重要な構造の理解を効率的かつ確実に進めることができると考えられる.令和5年度は,京都在来品種のウメに含有する既知の分化誘導物質をリード化合物として,より高活性の分化誘導物質を探索した.高分化型大腸がん細胞を用いて試験物質の分化誘導活性を試験し,活性があった場合は最小有効濃度を求め,試験物質間で活性強度を比較した.ウメ含有成分の一つである環状エステルにおいて,炭素数が変化することにより活性の有無や活性強度が変化する一定の傾向が認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有効濃度を決定するための条件検討に当初予定よりも時間を要した.分化誘導活性スクリーニングが実施途中であるため,引き続きスクリーニングを進め候補物質の絞り込みをおこなう予定である。
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今後の研究の推進方策 |
大腸がん細胞に対して分化誘導活性を示すカルボン酸の最小有効濃度を測定し,これまで検討してきた候補物質の中から,既知物質よりも低濃度で分化誘導活性を示す物質として適当な一物質を選定する.この物質を研究対象として,網羅的遺伝子発現解析により分化誘導作用機構を明らかにするとともに,免疫不全マウスにおける抗腫瘍作用を評価する予定である.
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