研究課題/領域番号 |
23K12705
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
富田 俊明 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 准教授 (60584208)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 絵画 / 現代美術 / 大学教育 / 分析心理学 / 人間形成 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで,日本の大学における絵画・現代美術の教育研究は,専門家養成に関心が集中し,学生の制作体験の人間形成的側面を主題とするものが存在しなかった。そこで本研究では,分析心理学のイメージ体験による人間形成の理論である「個性化」の教育的応用可能性を検証する。分析心理学では,普遍的無意識内容に形を与える「形成の原理」とこれを意識化する「理解の原理」のバランスが人間形成上重要とされるが,従来の絵画・現代美術教育は「形成の原理」=作品制作に偏重してきた。本研究は,創造体験の意識化が持つ人間形成的な作用に注目し,「理解の原理」を促進する授業の開発および実践的方略について実証的に探究することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年5月にヨーロッパへ出張を行った。これは本研究の予備調査として行った。ベルリン在住のアーティスト田中奈緒子さんを訪ねた。田中さんは本研究の外部委員である。本研究の開始にあたり、研究の進め方等について、ディスカッションし、助言を得た。この他、Asa Sonjasdotter, Anette Hojlund, Soren Bjorn, Asmund Havsteen-Mikkelsenらとディスカッションを行い、研究への助言を得た。 2023年10月に、北海道教育大学釧路校から佐賀大学芸術地域デザイン学部に移籍した。教育学部から芸術学部への移籍であり、芸術教育に関わる本研究の遂行のために、有益な研究環境を得た。佐賀大学芸術地域デザイン学部では、本研究の主題である無意識の創造性を体験させ、この体験を人間形成へとつなげるための意識化のワークを含んだ授業を複数構想し、実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は研究開始の年度であるが、外部委員である田中奈緒子さんを始め、複数のアーティストからの助言を得て研究を開始することができた。年度後半は、本研究の主旨に合致する教育研究環境に移動することができた。本研究の興味関心に基づく複数の授業を展開したが、これらは芸術系の学生たちから強い肯定的な反応を引き出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
新しい教育研究環境である佐賀大学芸術地域デザイン学部において、さらなる授業展開を行い、本研究の材料となるデータを蓄積していく。第一段階である「無意識の創造性を体験させるワーク」を工夫するとともに、本研究のテーマである第二段階である「体験の意識化と人格的統合のためのワーク」を構想・実施していく。 また、最終年度に出版する報告書作成に向けて、これまでの教育研究の成果を振り返り、「指導者の主体者としての物語」の執筆を開始する。
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