研究課題/領域番号 |
23K12719
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
宮本 英征 玉川大学, 教育学部, 教授 (10825293)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラーニング・プログレッションズ / 駆動問題(driving question) / 駆動(driving) / 歴史探究学習 / 駆動問題 / 真正の学び / 学習レリバンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学校教育・歴史教育が深く学ぶ姿勢の形成を必要としていることから,科学教育のラーニング・プログレッションズ(LPs)研究を参考にして,駆動問題(driving question)が作り出す歴史の取り扱い方と歴史の学び方を検討し,歴史探究学習の駆動問題を開発する。そして,その学習効果を検証し,駆動(driving)が生じる論理を解明する。また,駆動問題を組織する歴史探究学習の構成原理を提示し,教師の単元開発や実践に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究は,学校教育・歴史教育が深く学ぶ姿勢の形成を必要としていることから,学習科学のLPs研究を参考にして,駆動問題(driving question)が作り出す歴史の取り扱い方と歴史の学び方を検討し,歴史探究学習(問いの構築学習)の駆動問題を開発する。そして,その学習効果を検証し,駆動(driving)が生じる論理を解明することにある。そのため,初年度において,ラーニング・プログレッションズ(LPs)研究における駆動問題とその駆動性を参考にして,歴史探究学習における駆動問題と駆動問題が作り出す歴史学習の方法及び歴史教材の構成を検討した。そして,研究協力者と協働して駆動問題を中核とする高等歴史単元と駆動問題の学習効果を把握する評価方法をデザインし検証した。また,生徒と歴史授業の学びの構築について特筆すべき「困難な歴史」授業を実践しているアメリカ南部州の中等学校を訪問し、授業観察および生徒・教師へのインタビュー等を実施し,生徒が授業の何に興味をもち自らの学びを漸進・上昇させているかを調査した。その結果,次のように研究を遂行することができた。(1)多様な学びの漸進・上昇(LPs)と駆動を区別し,駆動を学びの漸進・上昇へ学習者を動かすものと定義した。そして、駆動を把握するための評価方法を開発し,駆動が対象と方向に整理できることを明らかにできた。(2)駆動は学びの漸進とその過程,方向性を教師と生徒に見えるようにする。生徒は学びの漸進やその方向性を把握し,さらに自分で学びを漸進・上昇できる。また,教師は生徒の学びを把握し,その漸進・上昇を支援し,次の学びの道筋を作ることを明らかにできた。(3)アメリカ南部州の中等学校において,「困難な歴史」に関する自らの学びを漸進・上昇させる要因に,社会正義の実現やより良い社会の形成を目指すという動機が影響していることを明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度においては,ラーニング・プログレッションズ(LPs)研究における駆動問題とその駆動性を参考にして,歴史探究学習における駆動問題と駆動問題が作り出す歴史学習の方法及び歴史教材の構成を検討できた。また,駆動問題を中核とする高等学校地理歴史科「歴史総合」と「世界史探究」のモデル単元を開発し,駆動問題の学習効果を検証する評価問題を開発し検証できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では,開発した「歴史総合」と「世界史探究」のモデル単元を多様な高等学校で実践する。駆動問題と生徒の探究過程を評価問題で調査し,駆動問題,教材・学習方法,探究過程の関係性を明示する。また,各学校・各クラスの結果を比較することで,探究へ向かう生徒の駆動性の論理を検討する。その際には,世界史・歴史学専門書や社会学専門書,社会科教育学専門書,教育学専門書,教育評価専門書を利用する。また,明らかになった学習者の駆動性については,日本カリキュラム学会や日本教法方法学会,日本社会科教育学会で発表し,研究成果を公表する。
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