研究課題/領域番号 |
23K12728
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
津多 成輔 島根大学, 学術研究院教育学系, 講師 (20838875)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | メリトクラシー / 選抜・配分 / 教師 / 学校教育 / 共生 / 地域性 / 学歴社会 |
研究開始時の研究の概要 |
後発近代国家として発達した日本は「学歴社会」という言葉に象徴されるように、進学を規定する「受験学力」が主に社会的地位を配分する指標となっている。本研究は、この日本型メリトクラシーの構造を維持について、学校の教師の存在に着目し、その構造を維持する教育意識・行為およびその教育意識・行為の背景要因を探索するものである。この課題に取り組む上で、大学進学率の地域間差によって生じる地域性にも着目し検討を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究は、教師を対象とした量的調査及び質的調査を通して、日本型メリトクラシーの構造を維持する行為者として学校空間における教師の教育意識・行為およびその背景要因を探索している。戦後日本社会では、学校教育による選抜・配分に地位達成を伴ったことは学校教育への誘因の一つとなった一方で、結果として、進学を規定する「受験学力」が主に社会的地位を配分する指標となったが、この「受験学力」によって選抜・配分を行おうとする日本型メリトクラシーへの依拠が維持されるメカニズムを解明する点に、本研究の意義がある。 2023年度は、大きく3つの課題を設定して研究活動を進めた。 第一に、地位達成や教育機会に関連する地域性の研究を高等教育の大衆化の段階の観点から通時的に整理した。これは、教師を対象とした量的調査の焦点をより一層明確化し、調査項目を充実するためであった。その結果、大学教育機会の地域間差を背景に、教師自身の選抜経験や地域移動経験等に着目する必要性を見出した。 第二に、成人2000名を対象とした社会意識調査の結果を分析する機会を得たことから、教師を対象とする量的調査の更なる仮説生成のために、自らの業績を努力の結果だとみなす人々の背景要因としての社会的属性の影響に加えて、その人々が考える社会的配分や高校教育の役割等を分析した。その結果、子どもの頃の教育環境が恵まれていた高学歴や高所得の人々が自らの業績を努力の結果だとみなす傾向がみられ、その人々は高校教育において進路のための学習を重視すべきであると考える傾向があることを見出した。 以上を踏まえて第三に、2024年度に実施する予定となっているに中学校/高校の教師各500名(計1000名)を対象としたWeb調査の調査票の開発を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地位達成や教育機会に関連する地域性の研究の整理は完了した。加えて、それをもとにした調査票の開発に伴う作業も進行した。調査票の開発に伴う一部の作業が次年度に持ち越されたが、現在までの進捗状況としてはおおむね順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度に実施する予定となっているに中学校/高校の教師各500名(計1000名)を対象としたWeb調査の実施に向けて、調査票の開発を進める。その上で、調査の実施について所属機関の研究倫理委員会による承認を得る。研究代表者はこれまで、自らが参加した研究プロジェクトにおいて、企画・実施してきた教師を対象とした調査の内容と結果を参照しながら調査の実施と結果の分析を進める。
|