研究課題/領域番号 |
23K12738
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
坪田 光平 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 助教 (30735931)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 差別 / 対処戦略 / アイデンティティ / 中国系移民第二世代 / コロナ禍 / エスニック・アイデンティティ / 追跡調査 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナパンデミックを通してアジア系移民に対する差別が世界的に報告されるなか、本研究は、日本の中国系移民第二世代に焦点を当て、かれらが職業生活の内外で経験する差別とそれへの対処戦略を詳細に明らかにする。その際、「学校から仕事」への移行過程に留意し、エスニシティへの意味づけが職業生活を通じてどのように変容していったのかを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の中国系移民第二世代が職業生活の内外で経験する差別とそれへの対処戦略の様相を、インタビュー調査により詳細に明らかにすることである。研究開始初年度にあたる2023年度は、(1)コロナ禍における移民差別(国内外での実態)を扱った文献研究の実施、(2)文献研究を踏まえたインタビュー調査項目の作成、(3)インタビュー調査の打診および実施、(4)研究成果の公表の四点にわたって研究活動を進めた。今年度の研究成果は以下のとおりである。 第一に、移民受け入れ国(主に欧米圏)を対象にした文献研究の結果、コロナ禍における移民差別の実態は、とくにアジア系移民を中心に報告されており、その発生局面は、医療・情報・教育・福祉・就労など極めて広範囲におよぶことが明らかになった。第二に、移民の生活と権利が日常的に脅かされる事態は日本社会でも十分に想定されるため、追跡のインタビュー調査項目は、就職や結婚といった各調査対象者のライフコースの変容に留意しつつも、被差別意識や対処戦略を重点的に明らかにする観点から検討を進めた(2023年10月には完成)。第三に、2023年度後半からはインタビュー調査を順次進めた。なお、追跡調査の依頼にあたっては辞退者が一部発生したものの、新規の調査協力者を含む計24名への調査を実施することができた。第四に、一部ではあるものの、研究成果は学会にて報告を行うとともに、関連する学会誌にも投稿のうえ掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
追跡調査が困難になる事態もあったが、新たに調査対象者を募ることによって対応し、当初予定していた件数のインタビュー調査を実施できているため。調査対象者の都合・希望に応じてオンライン(Zoom)での対応を積極的に図り、調査に柔軟性を持たせていることも大きな理由である。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始2年目となる2024年度は、以下の三点を柱に研究を進める。 第一に、文字起こしの発注を進め、分析をさらに深めること。第二に、当初の予定通り、インタビュー調査を継続して行うこと。第三に、分析結果をまとめ学会で報告するとともに論文を投稿すること。 ただし、2024年度は所属する研究機関に変更が生じるため、機器購入等をあらためて行う必要が生じている。効率的な予算執行のため、オンラインでのインタビューの可能性を模索することで支障がでないよう努めることとする。
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