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ヴィジュアル・ナラティヴを用いた保育・教育のリフレクションモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K12752
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分09030:子ども学および保育学関連
研究機関東京都市大学

研究代表者

横山 草介  東京都市大学, 人間科学部, 准教授 (60803484)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードヴィジュアル・ナラティヴ / ナラティヴ / 質的研究 / 保育の質 / 保育実践 / 教育実践 / 保育者 / リフレクション / ナラティヴ・アプローチ / 実践のリフレクション
研究開始時の研究の概要

保育や教育の実践のリフレクションは言語の使用に重心をおいて為されてきた傾向がある。一方で、言語に依拠した実践の省察は、実践の再現という点において困難が伴われることや、個人による自己内省的な作業になる傾向が指摘されてきた。
これに対し本研究では保育や教育の実践のリフレクション過程に実践者自身による描画や写真、映像といった視覚的な媒体を導入することの意義と効果を理論的、実践的に明らかにすることを研究目的に据える。
以上の解明を通して、言語のみに依拠した実践のリフレクションとは異なる、視覚的な媒体を介した実践のリフレクションについての新たな視座を提供することが可能になると考えている。

研究実績の概要

本研究の目的は、保育や教育の実践のリフレクション過程に実践者自身による描画や写真、映像といった視覚的な媒体を導入することの意義と効果を理論的、実践的に明らかにしていくことにある。これらの解明を経て、言語のみに依拠した実践のリフレクションとは質の異なる実践のリフレクションについての視座を提供することを目指す。
初年度の研究計画においては、リフレクション過程に視覚的な媒体を導入することの意義についての理論的な検討を目的として行った。保育や教育のリフレクションに関する従来研究においても、実践の省察にビデオカメラやカメラを用いて撮影された視覚的な媒体が活用されることはあった。一方で、これらの視覚的な媒体は過去の実践を想起するための媒体として位置づけられる傾向が強かった。だが、実践のリフレクション過程に視覚的な媒体を持ち込むことの意義は実践の想起に限られない。本研究の第1段階では、(1)実践のリフレクション過程に視覚的な媒体を導入することが実践のリフレクションに与える影響は何か。また、(2)描画、写真、映像といった視覚的な媒体の違いによってリフレクションの内容に違いは生じ得るのか、といった問いについて理論的な検討を行うことを目的とした。その結果、実践のリフレクション過程に視覚的な媒体を導入することは実践のリフレクション過程を多義的なプロセスにし得ること、視覚的な媒体の違いはリフレクションの担い手のリフレクションの対象に制約や方向づけを与えることが示唆された。これらの理論的な検討の成果は、2023年5月に催された日本保育学会第76回大会、同年11月に催された日本質的心理学会第20回大会、2024年3月に催された日本発達心理学会第35回大会において発表を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度の研究計画においては、実践のリフレクション過程に視覚的な媒体を導入することの意義に関する理論的な検討を目的として行うことにあった。以上の研究計画に照らし、当該年度の研究成果として以下の2点をあげることができる。
(1)実践のリフレクション過程に視覚的な媒体を導入することの意義に関する理論的な検討の成果を、2023年5月に催された日本保育学会第76回大会、同年11月に催された日本質的心理学会第20回大会、2024年3月に催された日本発達心理学会第35回大会において発表した。
(2)研究協力を得ている保育所においてフィールド調査を実施し、研究の基礎データを収集するとともに得られた研究データをもとに理論的な検討を進めた。
ヴィジュアル・ナラティヴの方法論を用いた保育・教育のリフレクションモデルの開発という研究目的に照らし、当該年度はリフレクションモデルの基盤となる理論的な探究を進めるとともに、その研究成果を学会、学術誌を通して発表することができた。以上の研究成果に基づき、本研究は当初の研究計画に照らしておおむね順調に進展しているものとの評価することができる。

今後の研究の推進方策

次年度の研究計画においては、ヴィジュアル・ナラティヴの方法論を用いた保育・教育のリフレクション手法の開発に着手する。研究協力を得ている保育所においてフィールド調査を実施し、研究の基礎データを収集するとともに得られた研究データの分析を進める。研究初年度の研究成果に基づけば、(1)実践のリフレクション過程に視覚的な媒体を導入することは実践のリフレクション過程を多義的なプロセスにし得ること、(2)視覚的な媒体の違いはリフレクションの担い手のリフレクションの対象に制約や方向づけを与えることが示唆されている。これらの知見を踏まえつつ、ヴィジュアル・ナラティヴの方法論を用いた保育・教育実践のリフレクション手法の開発に着手する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 幼児教育における生活に埋め込まれたESD実践の理論的展望2023

    • 著者名/発表者名
      関山 隆一・横山 草介
    • 雑誌名

      保育学研究

      巻: 61 号: 3 ページ: 21-29

    • DOI

      10.20617/reccej.61.3_21

    • ISSN
      1340-9808, 2424-1679
    • 年月日
      2023-12-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 幼児期の遊びから児童期の学びへの接続を問う:危機の経験を経て探究の地平へ2023

    • 著者名/発表者名
      横山草介
    • 雑誌名

      教育方法

      巻: 52 ページ: 96-109

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ナラティヴ・ラーニングの臨床教育学的視野:ナラティヴ・ラーニングーー物語の構造か、機能か2024

    • 著者名/発表者名
      横山草介, 庄井良信, 嶋口裕基
    • 学会等名
      日本発達心理学会 第35回大会 於 大阪国際交流センター
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 人生のイメージ地図:ビジュアル・ナラティヴの探究 J. S. Brunerとナラティヴ文化心理学の観点から2024

    • 著者名/発表者名
      やまだようこ, 浦田悠, 横山草介, 土元哲平, 木戸彩恵
    • 学会等名
      日本発達心理学会 第35回大会 於 大阪国際交流センター
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生きた保育のことばに向けて:生成のナラティヴ2023

    • 著者名/発表者名
      横山 草介, 久保 健太, 水津 幸恵, 山本 一成, やまだ ようこ
    • 学会等名
      日本保育学会 第76回大会 於 熊本学園大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ラーニングストーリーの実践的展開:子どもの育ちを重層的に可視化する2023

    • 著者名/発表者名
      横山 草介, 関山 隆一
    • 学会等名
      日本保育学会 第76回大会 於 熊本学園大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「社会的諸力」概念を問い直す: 個人と社会との関係づけを理解するためのいくつかの論点2023

    • 著者名/発表者名
      土元哲平, 市川章子, 小山多三代, 小田友理恵, 横山草介
    • 学会等名
      TEAと質的探究学会 第2回大会 於 立命館大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 詩的リアリティとビジュアル・ナラティヴ2023

    • 著者名/発表者名
      横山草介, 家島明彦, やまだようこ, ふくだぺろ, 南博文, 高田明
    • 学会等名
      日本質的心理学会 第20回大会 於 立命館大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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