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早産児の発達予後改善のためのアクチグラフによる発達予測指標確立と早期介入の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23K12760
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分09030:子ども学および保育学関連
研究機関地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所)

研究代表者

下風 朋章  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (10455892)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードアクチグラフ / 発達検査 / 早産児 / 極低出生体重児 / 発達遅滞 / 昼夜活動比 / 面会
研究開始時の研究の概要

新生児集中治療の技術向上により、早産児の生存率は向上している。一方で、将来的に数割程度に発達遅滞を伴う。早期から発達支援をすることで発達の改善が期待できるが、発達遅滞のリスクを同定する有用な予測方法が得られていないのが現状である。アクチグラフは、児への負担を伴うことなく活動を評価できる。アクチグラフを用いて昼と夜の活動比を採取し、発達予後との関連を検討する。関連がある場合には、臨床で活用可能な発達遅滞を予測するカットオフ値を求め早期介入に役立てる。また、親が児に面会することで発達予後を改善する報告があるが、親の面会が昼と夜の活動比に与える影響を検証し、発達予後改善のメカニズムを考察する。

研究実績の概要

アクチグラフ(小型照度・活動量計[アクティワッチ,Respironics社, 米国])は、早産児でも非侵襲的に照度と活動量を計測できる。活動量やパターンが発達予後を予測するか検討する。研究計画書では、予備研究の症例で計51名が終了していることを記載した。早産時期にアクチグラフを装着した早産児の一部が成長し78名が1歳6か月を迎えた。転居などで発達検査未施行の9名と発達検査を試みたが、本人のコンディションで実施出来なかった7名を除外して62名を解析し2023年日本新生児成育医学会で発表した。
【方法】体重1500g未満で出生した早産児に修正34-36週時に装着したアクチグラフで活動を記録した。時間当たりの活動量、昼/夜活動比、および修正1歳6か月の新版K式発達検査による発達指数(DQ)の関連を検討した。データは中央値および四分位範囲(IQR)で示した。
【結果】全領域DQ85未満と85以上は、それぞれ32名と30名で、在胎週数27.0週と27.1週(p=0.62)、活動量は3316と3107 counts/h(p=0.59)、昼/夜活動比は0.95と0.98(p=0.27)であった。姿勢・運動DQ85未満と85以上は、それぞれ25名と37名で、活動量は3296と3235 counts/h(p=0.90)、昼/夜活動比は0.97と0.96(p=0.81)であった。認知・適応DQ85未満と85以上は、それぞれ28名と34名で、活動量は3226と3296 counts/h(p=0.88)、昼/夜活動比は0.94と0.98(p=0.38)であった。言語・社会DQ85未満と85以上は、それぞれ33名と29名で、活動量は3492と3157 counts/h(p=0.42)、昼/夜活動比は0.96と0.99(p=0.33)であった。
日本新生児成育医学会雑誌 35: 500-500, 2023.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昼/夜活動比と発達指数をプロットし、相関性を検討することに関しては、予定通りに進行し実績も報告している。親の面会により「昼によく活動させる」ことと昼/夜活動比の関連を明らかにすることに関して、病棟入り口の入退室・電子記録に基づき親の総面会時間を計測する必要がある。すでに、父と母の面会時間は別々に保存されているが、研究該当時期(アクチグラフ装着時)のデータを取得する作業が難航している。1日の入退室記録から面会者を同定して、繰り返す入退室から、面会時間の合計を算出するためのコンピューター・システムが存在せず、データを人間が観察して取得する必要がある。そのために臨時研究アシスタントを雇用したが定着せずに進んでいない。

今後の研究の推進方策

昼/夜活動比と発達指数をプロットし、相関性を検討することに関しては、既にアクチグラフで活動を記録した早産児が、時間経過と共に発達検査を施行する1歳6か月に到達する。早産時期のデータ取得数も外来での1歳6か月時のフォローアップ率も計画通りであり、これまでの蓄積したデータに新たに追加し解析することは問題なく実行可能である。一方で、親の面会により「昼によく活動させる」ことと昼/夜活動比の関連を明らかにするために、父と母の面会時間を取得する必要があるが、面会時間のデータがあれば解析は比較的容易と考えるものの、データの取得には、大きなエフォートを要する。2024年度で新たに研究アシスタントを雇用し遅れている部分を計画通りにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アクチグラフ (活動量計) による極低出生体重児の発達予後予測の可能性について2023

    • 著者名/発表者名
      下風朋章, 太田英伸, 兼次洋介, 齋藤朋子, 豊島勝昭
    • 学会等名
      日本新生児成育医学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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