研究課題/領域番号 |
23K12770
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
小林 裕子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80911073)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 持続可能な衣生活 / サーキュラー型 / 家庭科 / 教科書分析 / 授業開発 / 家庭科教育 / 衣生活 / 循環利用 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの衣服の「大量生産・大量消費・大量廃棄」の一方通行(リニア)型は環境負荷が著しく高く,「適量生産・適量購入・循環利用」により廃棄される衣服を削減する循環(サーキュラー)型への移行は世界的な課題である。この取組を市民レベルに広げるには,これからの社会の担い手である児童生徒の主体的な実践に結びつく系統的な学習の枠組みを早急に設定する必要がある。本研究は,小・中学校家庭科教育における系統的な「衣生活サーキュラー(循環)型モデル」の教材を開発し,授業の実践・評価によって教材の有効性を検証した後に,広く一般に公開し汎用化することを目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究は,家庭科教育において「衣生活サーキュラー(循環)型モデル」を実現する能力を育成する教材を開発し,授業実践や評価により教材の有効性を検証した後に広く公開することを目的としている。 3年間の研究期間のうち初年度にあたる令和5年度は,家庭科教育における「衣服の循環利用」に関連する学習内容や方向性の歴史的変遷や小・中・高等学校の学びの系統性を把握することを目的として,以下の研究を行った。 ・前年度から継続して取り組んでいた戦後から現在までの小・中学校家庭科学習指導要領及び教科書における,衣服の補修(繕いやほころび直し)の記述や学習内容の変遷をまとめ,今後の家庭科教育に求められる課題を提言した論文が,日本家庭科教育学会誌に採択された。 ・採択された論文に続く第2弾として,「衣服の副資材(ボタン・スナップ・ファスナーなど)」に着目し,戦後から現在までの家庭科学習指導要領及び,小・中学校家庭科教科書のスキャニングを行い,関連する記述を抽出・分析し考察した。この研究結果を論文にまとめ,令和6年3月に日本家庭科教育学会に投稿し,現在査読中である。また本研究では学生服に使用される副資材についても研究対象としており,学生服大手メーカーであるカンコー学生服と共同で研究を進めた。 ・学会発表は,令和5年7月に開催された,日本家庭科教育学会全国大会にて,前年度に実施した高校生および教員養成大学生対象の「衣服の選択・購入,補修,廃棄等に関する実態調査」の結果について発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作成した3年間の研究計画の1年目(令和5年)に予定していた,家庭科学習指導要領及び小・中学校家庭科教科書のスキャニング・分析・抽出・考察を行うこと,得られた研究結果を論文化し,学会誌に投稿することなど,概ね計画通りに進展した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間2年目の令和6年度は,小・中学校「衣生活循環(サーキュラー)型モデル」教育の教材開発をより有効なものにする目的で,児童生徒並びに家庭科教員を対象とした大規模調査を実施する。 児童生徒対象調査は,研究協力校の教員に依頼し,webアンケートで実施する。家庭科教員対象調査は,ランダム抽出した対象者にウェブ回答用のQRコードを郵送する形で実施する予定である。郵送予定数は2000通である。アンケートでは,児童生徒の衣服の補修や再利用の実態を把握するとともに,家庭科教員の指導実態や指導上の課題を明らかにする。アンケートで得たデータを集約・分析し論文化の上,日本家庭科教育学会に投稿予定である。 また,調査で得られた知見から,「衣生活循環(サーキュラ)型モデル」教育に求められる資質・能力の明確化を行い,教材開発に着手する。
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