研究課題/領域番号 |
23K12780
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 京都芸術大学 |
研究代表者 |
次橋 秀樹 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (30852123)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 教育評価 / 教育方法 / 国際バカロレア / 高校入試 / 大学入試 / 調査書 / 学校教育 / 学校間接続 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大学および高等学校への入学者選抜(以下、入試と表記する)において用いられる下級学校の評価について検討する。 具体的には、日本の高校入試全般や大学入試において選抜方法の一部に用いられる「調査書(内申書)」と、国際的な高大接続プログラムである国際バカロレア(IB)で用いられる「内部評価(Internal Assessment)」の二つを対象とし、それぞれの内実を明らかにしつつ、現在の日本の入試と学校現場における意義と課題を検討する。
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研究実績の概要 |
「調査書」に関連した研究として、令和5年度および令和6年度の全都道府県における高校入学者選抜要項(選抜方法を示す文書・その名称は自治体によっては異なる場合がある)と、ウェブサイト上では非公開の3県を除いた調査書を入手し、分析を行った。各都道府県において、調査書の様式だけでなく、選抜方法にも差異があること、また選抜方法の情報公開の程度にも大きな差異があることを確認しつつ、これらの類型化を行った。本研究を通して、「調査書」のもつ多様性と不透明性をより鮮明にすることができた。 また、国際バカロレアの「内部評価」に関連した研究として、国内を中心に資料収集のほか、社会科系科目の担当教員へのヒアリングを複数回行い、指導の具体を明らかにすることを試みた。「内部評価」は、近年日本においても広く関心を集める探究的な学びの成果に対する評価とも言えるが、日本の教育現場で重視されがちな情意面よりも、少なくとも評価においては探究のスキルが重視されている。このことについては、さらなる慎重な検討が必要であると考えるに至った。 ここまで得られた成果については、2023年11月26日(日)、教育目標・評価学会大会の公開シンポジウムのなかで「高校における探究的な学びの位置づけと評価方法の比較―国際バカロレアの内部評価・外部評価と日本の調査書・大学入試に注目して―」として報告した。また、2024年7月に有斐閣より刊行予定の書籍『内申書を問う』(田中耕治・西岡加名恵編著)において、執筆を担当した第1章で「調査書」、第10章で「国際バカロレア」についてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査書分析に時間を要したことと、本務校での新たな役職拝命におともなう業務への対応のため、IB実践校や担当教員の訪問調査について予定の半分程度となった。しかしながら、2024年末の完了を予定していた調査書の基礎的研究はほぼ終えるなど、全体的に見ればおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
「調査書」に関連して、「調査書」とともに選抜に用いられる「学力検査」の研究を進めていく。 国際バカロレアの「内部評価」については、引き続き実践校訪問や継続的な実践者への聞き取り調査などを通して進めていく。 「学力検査」については次年度以降の成果発表、「調査書」や「内部評価」については今年度内の学会・学会誌等で成果発表を行うことを通して、広く他の実践者や研究者からの研究助言を得て、今後につなげたい。
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