研究課題/領域番号 |
23K12788
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 周南公立大学 |
研究代表者 |
大坂 遊 周南公立大学, 経済学部, 准教授 (30805643)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 教師教育 / 教師教育者 / 社会科教師 / 理論的根拠 / 入職期 |
研究開始時の研究の概要 |
教員養成期から初任期にかけての入職期社会科教師の専門性開発には,実践の核となる「理論的根拠」の形成が重要であり,教師教育者は当人の特性に応じた理論的根拠の形成支援策を提供する必要がある。そこで,本科研では,①継続的インタビュー調査等を通した教員養成期から入職後を架橋する社会科教師の信念形成過程の解明,②学校を基盤とする教師教育者への調査やセルフスタディを通した社会科教師の理論的根拠形成を支援する教師教育者の専門性開発方略の解明,の2点を行う。 本研究を通して,教員養成と教員研修が一体的に入職期の社会科教師の専門性開発を支援する教師教育プログラムの開発に向けた示唆を得たい。
|
研究実績の概要 |
本研究を構成する,①教員養成期から入職後を架橋する社会科教師の信念形成過程の解明,②社会科教師の「理論的根拠」形成を支援する教師教育者の専門性開発方略の解明,の2点のうち,当該年度は主に②に焦点を当てて研究を行い,その成果を論文等で発信した。具体的な取り組みと成果は,以下の三点である。 第一に,学校を基盤とする教師教育者の協力を得てセルフスタディを行い,その成果を論文にまとめることができた。広島大学教育ヴィジョン研究センターの主催する「教師教育者のためのプロフェッショナル・ディベロップメント講座」を共同で運営し,教師教育者の専門性開発方略の理論としてセルフスタディを導入し,その成果を論文にまとめた。研究を通して,入職期の社会科教師教育者にとって,自らの実践を記録し発信する行為が,実践の省察・改善や教師教育者としての使命の自覚を促すことを明らかにした。 第二に,複数の大学や学校を基盤とする社会科教師教育者の協力を得て,社会科教師教育実践に関わる葛藤や困難,そしてその克服のあり方を論じた原稿(研究成果と実践記録)を収集することができた。その成果の一部は,研究代表者が編者として参加した書籍(『セルフスタディを実践する:教師教育者による研究と専門性開発のために』)に収録し刊行することができた。 第三に,学会のラウンドテーブルを共同で企画することを通して,教師教育者の専門性開発方略に関心を寄せる研究者・教育者と交流することができた。「教師教育者の「教えることを教える」こと」をテーマにしたラウンドテーブルでは,複数の社会科教師教育者も含まれており,彼らと今後の共同研究などの可能性について議論することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を構成する,①教員養成期から入職後を架橋する社会科教師の信念形成過程の解明,②社会科教師の「理論的根拠」形成を支援する教師教育者の専門性開発方略の解明,の2点のうち,当初予定していた①の研究は,調査対象者の選定などの課題から当該年度中の実施を見送ることとなった。一方で,「研究実績の概要」に記載した通り,当該年度は②に焦点を当てて研究を行うことで,結果として多くの研究成果を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究を構成する,①教員養成期から入職後を架橋する社会科教師の信念形成過程の解明,②社会科教師の「理論的根拠」形成を支援する教師教育者の専門性開発方略の解明,の2点のうち,①は同様の問題関心を有する複数の現職社会科教師による研究協力が得られる目処が立っており,調査の推進が期待できる状況である。また,②においても,広島大学教育ヴィジョン研究センターの主催する「教師教育者のためのプロフェッショナル・ディベロップメント講座」の運営に今年度も参画し,受講者らと共同研究を実施する見込みであり,セルフスタディの実施による研究の進展が期待される。
|