研究課題/領域番号 |
23K12790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 山梨学院短期大学 |
研究代表者 |
田邊 裕子 山梨学院短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (60847911)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 身体技法 / 身体的同調 / 音楽教育 / 音楽科教育 / 民俗芸能 / 身体性 |
研究開始時の研究の概要 |
音楽科の学びの特性とは、学習者の身体を介したパフォーマンスへの参与による身体技法習得のプロセスにある。しかし、身体技法の習得プロセスは各実践の文脈と深く結びついており、多様な音楽ジャンルやスタイルを取り上げる音楽科授業においては、ジャンル横断的に適用可能な学習・指導法の開発が不可欠である。そこで本研究は、音楽活動の参与者間における音を介した身体的同調の生起が身体技法習得を促進することに着目し、その構造を明らかにする。その上で、教師が現場の実態に応じて音楽を選択し授業デザインする際に援用することのできる、小学校音楽科授業における身体的同調を核とした学習・指導法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、音楽の学びを、身体を介したパフォーマンスへの参与による身体技法習得のプロセスとして捉え、多様な音楽文化やスタイルを取り上げる音楽科授業において、ジャンル横断的に適用可能な学習・指導法の開発を目指すものである。そこで、音楽活動の参与者間における音を介した身体的同調の生起が身体技法習得を促進することに着目し、その構造を明らかにした上で、小学校音楽科授業における身体的同調を核とした学習・指導法を開発することを目的としている。 本研究で着目する身体的同調とは、他者との関係において生成する感応や共振と定義される現象である。これは演奏を成立させる不可欠のメカニズムとされ、他者の身体と同調することのできる身体性が円滑かつ一体感のあるパフォーマンスを実現させている。すなわち、身体的同調の生成や深化が、身体技法習得=音楽学習の促進に関わると考えられる。このことから、音楽実践の参与者間で身体的同調が生起し、それが身体技法習得の進展に寄与する現象であることが実証的に明らかになれば、身体的同調を軸とした音楽学習活動のデザインが容易になると予想される。 2023年度は主に、文献調査およびフィールド調査を実施した。 文献調査では、同調に類する概念として考えられる同期、引き込み、グルーヴ等をキーワードとした先行研究を収集し、その概念的整理を試みた。音楽領域ではグルーヴ概念がジャズやロック等の研究において多く言及されていること、同調や同期はそれと比較すると少なく、社会学や心理学等の諸分野で言及されていることが分かった。 また、フィールド調査として目黒流貫井囃子保存会における参与観察を継続実施し、練習の様子を記録した。練習の中では身体的同調が巧みに取り入れられ、アンサンブルパフォーマンスを可能にする身体性の基盤が構築されている様子が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査については、主要な国内外の文献および先行研究の収集がおおよそ完了し、文献レビュー作業を進めている。上記に述べたように、音楽分野ではグルーヴ概念を用いた研究が多く、身体的同調概念との関係づけや概念整理が必要であることが分かった。 フィールド調査を実施している民俗芸能団体の構成員が変化したため、練習内容が変更となることがしばしばあり、分析可能なデータが想定していたよりも少なかった。ただし、これまでの蓄積データが一定量あること、また2024年度も引き続き調査を継続できることから、現時点では大きな障害とは考えていない。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は引き続き、文献調査およびフィールド調査を継続する。 文献調査では収集した文献や先行研究のレビューを進め、身体的同調の生起プロセスや構造、音楽学習との関わりについて理論化を目指す。 フィールド調査ではさらにデータを収集し、それと並行して分析を進めていく。練習の中で身体的同調がどのように生起し、参与者にどのように経験されているのか、映像および発話から分析していく。 さらに、複数の音楽ジャンルやスタイルの演奏者にインタビューを実施し、多様なジャンルを取り上げる音楽科授業において身体的同調を学習活動に援用するための予備的考察に役立てる。
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