研究課題/領域番号 |
23K12843
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉山 高志 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70902089)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 科学教育 / 津波防災 / 偶有性 / ICT / アクションリサーチ / 南海トラフ地震 |
研究開始時の研究の概要 |
南海トラフ地震の新想定が巨大な想定だったため災害に対する厭世観を呼び起こした。この現状を超克するため、専門家と非専門家の対話を重視した地域防災プログラムを開発・検証した既往研究は僅少である。 本研究では、専門家と非専門家の対話によって「津波想定は巨大想定以外にも規模の小さな想定もありえること」、即ち「偶有性」の視点を用いて特定の津波想定から離脱した防災教育の有効性を検証する。このアプローチで非専門家による多様な防災対策を構想でき、津波防災に対して非専門家の主体性を醸成できるという仮説に立ち、「双方向モデル」を利用した地域防災プログラムを開発して、その有効性をアクションリサーチによって分析する。
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研究実績の概要 |
本研究の成果を、大きくわけて以下2点にわけて報告する。 1点目は、地域を対象とした活動の成果である。地域を対象に津波災害の偶有性を学ぶ勉強会を行い、津波や地震災害で想定されている条件や出力結果が多様であることを、勉強会の参加者に勉強してもらった。高知県や宮崎県、福岡県など、南海トラフ地震による被害が想定されている地域で勉強会を行い、その勉強会の様子を記録した。 2点目は、学校を対象とした活動の成果である。具体的には、高知県や宮崎県などの沿岸域自治体の小学生、中学生、高校生などの学生に対して、津波災害の偶有性を学習する機会を作り、その学習会の効果をアンケート調査やインタビュー調査によって測定した。ウェブ教材やスマホアプリなどICTを活用した授業設計を行い、座学形式の一方向の学習にならないように工夫を施し、学生たちが主体的に学びを深められるように心がけた。授業の中では、学生が実際に沿岸域に行き、現地の地域特性や建物やインフラのリスクを巡検したり、津波の浸水域から高台に個別に避難する学習も織り交ぜ、机上のみならず学生の実体験を通じて探究的な学びを促進するようなプログラムを開発した。その結果、津波や地震災害に対する複雑性や発災時に起こり得るシナリオを学生たちは学ぶことができ、研究者と双方向的に対話を重ねてサイエンスに対するリテラシーを向上させることができていた。また、学習成果をウェブブラウザ上で事後学習できるような仕組みも作り、学習効果を高める仕組みも構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
学校や地域と連携した研究・実践活動を積極的に進めており、研究活動が順調に進展したため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究における今後の推進方策を、大きく分けて以下の2点にまとめる。 1点目は、地域を対象にした研究である。太平洋沿岸地域や日本海沿岸地域の住民に対する調査を継続する。 2点目は、学校を対象にした研究である。高知県や宮崎県などの小中学校や高等学校の教員・学生を対象に、双方向型の科学教育の実践と調査を継続する。
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