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これからの科学教育・環境教育に資する,沖縄漂着軽石の教育資源化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23K12846
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関大阪教育大学

研究代表者

平川 尚毅  大阪教育大学, 教育学部, 特任講師 (20908454)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード沖縄漂着軽石 / 福徳岡ノ場 / 教材開発 / 水への浮遊性 / 軽石
研究開始時の研究の概要

2021年秋頃,海底火山福徳岡ノ場の噴火に伴って放出された軽石が沖縄県に大量に漂着し,現地の各産業に影響を及ぼしたことで話題となった.軽石は人間生活にとって厄介者となる反面,科学的な観点からは浮遊性やガラス質,含まれる結晶鉱物や生命との関連など興味深い科学のたくさん潜む物質でもある.本研究は現時点では厄介者の軽石を教育資源として捉え直し,科学・環境教育の文脈へ有効活用することに挑戦するものである.

研究実績の概要

本研究では沖縄漂着軽石の教育的価値に着目した理科の分野横断的な教材開発に取り組んでいる.
2023年度には,軽石の水への浮遊性に着目した教育教材の開発を中心に研究を進めた.ガラス瓶に水を入れて軽石を浮かべた後,瓶内を減圧すると開気孔から軽石内部に存在する空気を脱気することができる.これにより,まず軽石表面から多くの気泡が発生する.気泡の抜けた気孔には周囲の水が流入することができ,空気と水が置換された状態になる.見かけ比重が1をこえた時に軽石が水中に沈む挙動を示す.この現象を元に軽石の多孔質な構造や比重について考察できる教育的展開を行う.ただし,軽石の体積に対して閉気孔の割合が大きいと十分な脱気が行われず,水中に沈めることができない.Yoshida et al. (2022)の軽石の分類に基づき,本教材に適した軽石のタイプを検証したところ,飴色類型の軽石(amber type pumice)が最も本教材作製に適した挙動を示した.また一通りの現象を観察することが可能な減圧器については,主に100円ショップやホームセンター等で入手可能な安価な部品を用いることとし,学校教員が容易に作製できる方法を開発した.
これに加えて,軽石の薄片教材を用意し,軽石内部の構造を可視化することにも着手しており,薄片教材に関しては現在偏光顕微鏡による分析と教育的展開を考察中である.これらを通して,物理や地学分野の分野横断的な教材開発及び,授業展開を形にする.本件については日本地学教育学会第77回全国大会にて報告を行なった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究に必要な沖縄漂着軽石は順調に入手することができた.物理や地学の横断教材については教育実践可能な状態にまで装置を作製することができている.しかし化学や生物分野の教材開発において,まだ検討中の課題が残っており,教材開発は現在進行中である.2023年度の進捗としては概ね順調な状況であると判断することとした.

今後の研究の推進方策

現在,軽石のガラス質に着目して,軽石を用いた釉薬の作製に着手しており,これを化学と地学を横断した教材の開発として取り組んでいる.また,生物分野との横断的な教材には複数の軽石表面に見られる生命の痕跡を利用する.今後,作製した教材をまとめて学校現場及び,所属大学での教育実践を行ない,教育的価値を評価する予定である.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 福徳岡ノ場産軽石の科学教育教材化を目指してー軽石の浮遊性への着目ー2023

    • 著者名/発表者名
      平川尚毅, 桐野杏, 坂田成駿
    • 学会等名
      日本地学教育学会第77回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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