研究課題/領域番号 |
23K12848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中村 大輝 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90839094)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 科学的リテラシー / 条件制御能力 / コンピューター適応型テスト / 項目反応理論 / Computer Based Test / Computer Adaptive Test / Nature of Science |
研究開始時の研究の概要 |
従来、科学の内容を正しく理解することが市民に必要な科学的リテラシーであると考えられていたのに対して、第2世代の科学的リテラシーでは、科学の性質の理解や科学に対する態度など、幅広い内容が求められるようになっている。しかしながら、内容の拡大に伴う回答負担の増加と測定精度の低下の問題から、それらの測定法は確立されていない。このような問題に対して、近年の教育測定分野の成果であるコンピュータを活用したテスト技術を応用することで、回答負担を軽減しながら高い精度の測定を実現することが期待できる。そこで本研究では、第2世代の科学的リテラシーを測定するコンピュータ適応型テスト(CAT)の開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
本年度は科学的リテラシーの1つである条件制御能力を測定するコンピューター適応型テスト(Computer-Adaptive Testing; CAT)の開発に取り組んだ。アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science; AAAS)によって開発された調査項目(21項目)と新規開発した項目(1項目)を用いて条件制御能力を測定する調査冊子を構成し、中学生416名(中1:136名,中2:140名,中3:140名)を対象としたオンラインモニター調査を実施した。次に得られたデータに対して、項目反応モデルの1つである2パラメータ・ロジスティックモデルを当てはめ、周辺最尤推定法によって項目パラメタを推定した。このような手続きで得られた項目パラメタに基づき、コンピューター適応型テストを構築した。開発したテストはオンライン上に誰もがアクセスできる形で実装した。実装に際しては、条件制御能力の4領域(Plan, Identify, Interpret, Understand)からバランスよく出題されるようなアルゴリズムを導入し、測定の妥当性を高める工夫を行った。 従来のコンピューター適応型テストは基礎的な知識を測定する問題がほとんどであり、本研究のように科学的な思考力を問う問題を開発したことには重要な意義があると考えられる。また、コンピューター適応型テストの技術を用いることで、従来よりもより少ない問題数で高精度の測定が可能になる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
技術的な問題からオンラインモニター調査の実施がやや遅れたものの、コンピューター適応型テストの実装が予定よりも早く完了したことで、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、条件制御能力以外の科学的リテラシー(1.科学に対する興味・関心・態度、2.科学の性質に関する理解、3.科学が関わる社会問題に対して意思決定を行う能力など)を測定するコンピューター適応型テストの開発に取り組む予定である。また、研究成果の公表に取り組んでいく。
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