研究課題/領域番号 |
23K12858
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
徳山 奈帆子 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (60779156)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大型類人猿 / 集団間関係 / ストレス指標 / チンパンジー / ボノボ / ストレス / 情動 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の集団間には一般に資源を巡る排他・敵対関係があり、チンパンジーにおいてその傾向は顕著である。そのため、集団間の親和・協力関係は、ヒトにおいて特有に進化した特徴であると考えられがちである。これまでの研究で、チンパンジーと同じくヒトと最も近い類人猿であるボノボにおいて、集団間に比較的寛容な関係があり、異なる集団の個体同士での協力や親和的交渉が生じることが分かった。本研究では、野生のボノボとチンパンジーにおいて、外集団個体との接近・接触により生じる心的活動について、生理的指標(排泄物中のストレスホルモン濃度測定、非接触型サーモグラフィーによる体表面温度測定)と行動指標双方から明らかにする。
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研究実績の概要 |
物の集団間には一般に資源を巡る排他・敵対関係があり、チンパンジーにおいてその傾向は顕著である。そのため、集団間の親和・協力関係は、ヒトにおいて特有に進化した特徴であると考えられがちである。これまでの研究で、チンパンジーと同じくヒトと最も近い類人猿であるボノボにおいて、集団間に比較的寛容な関係があり、異なる集団の個体同士での協力や親和的交渉が生じることが分かった。本研究では、野生のボノボとチンパンジーにおいて、外集団個体との接近・接触により生じる心的活動について、生理的指標(排泄物中のストレスホルモン濃度測定、非接触型サーモグラフィーによる体表面温度測定)と行動指標双方から明らかにする。 2023年度にはまず、チンパンジー、ボノボの体表面温度計測のため、手持ちの小型赤外線サーモグラフィーを購入し、動物園および餌付けニホンザルにおいて、使用テストを行った。また、ウガンダ共和国、カリンズ森林にて約3週間の予備調査を実施した。調査の実施時期が雨期であったため、チンパンジーが濡れた地面を嫌って樹上に滞在する時間が長く、10mほどの接近であり、顔部分の撮影が必要となるサーモグラフィーによるデータ収集は容易ではなかった。サーモグラフィーによる体表面温度変化測定のためには、チンパンジーが地面に滞在することが多い乾期に調査を行う必要があることを確認した。行動データ収集と、尿および糞のサンプル収集は順調に行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に計画していた通り、手持ちの小型赤外線サーモグラフィーを購入と使用テスト、およびウガンダ共和国、カリンズ森林ににおける予備調査を実施することができた。しかし、申請者の所属変更に伴い、2-3月に想定していた本調査の開始は、2024年度に延期せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、8-9月および2-3月の合計2か月程度、ウガンダ・カリンズ森林においてデータ収集を行う。その間、現地調査アシスタントの訓練を行い、年間を通じた行動データおよび尿・糞サンプルの収集を行う体制を整える。また、前年度までに収集した尿・糞サンプルを用いて、ストレスホルモンの抽出と分析を行う。
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