研究課題/領域番号 |
23K12872
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
横嶋 敬行 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (90909631)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 向社会的動機 / 潜在連合テスト / 青年期 / 向社会的行動 / 援助行動 / 精神的健康 / 潜在的態度 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,思いやりの行動(援助行動)に対する顕在的及び潜在的な向社会的動機のメカニズムの解明が進められている。とりわけ,潜在的な向社会的動機研究は発展途上であり,青年期を対象とした研究は見当たらない。青年期は対人関係が豊かに発達する一方で,その関係性の築き方に悩みを抱える時期でもある。この時期の向社会的動機研究に着手することで,青年期の心の発達や学校教育等で行われる思いやりの心の育成に対して新しい視座を提供できると期待される。そこで,本研究では,青年期の顕在的及び潜在的な向社会的動機と,援助行動・精神的健康との関連を解明するとともに,両動機の形成に影響を与える教育的要素を明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和5年度は,紙筆版潜在連合テストを用いたIPM測定法(Prosocial motivation Implicit Association Test: Pro-IAT)の試作版を作成して信頼性に関する予備研究〔研究1〕と,②大学生以上の成人を対象としたEPM尺度の信頼性と妥当性を検証する研究〔研究2〕に着手した。 研究1:Pro-IATの試作版は,児童版のPro-IATをベースとして,IATの構成や集団検査の実施手続きを中心に改良を加える形で試作版が作成された。学校現場で行う紙筆版IATの集団検査では,不誠実回答及び不備のある回答の抽出を適切に行うことが重要になるため,この点を中心に実施手続きの改善を行った。調査対象について,当初の計画では中学生と大学生のみを対象としていたが,青年期に広く適応できる測定法として信頼性を確認していくために,高校生を研究対象に加えた。信頼性の検討は再検査信頼性(2週間)の観点から行い,その結果,すべての学年で良好な結果が得られた。 また,上記と平行して研究2のEPM尺度の信頼性と妥当性の研究を進めた。EPM尺度の研究においても,当初の計画では大学生のみを対象に調査を実施する計画であったが,成人期に広く適用できる尺度として開発するために,20歳~60歳へと対象を拡大した。調査はweb調査で実施し,探索的因子分析の結果,先行研究が示す理論通りの因子構造であることが確認されるとともに,良好な信頼性(内的一貫性)の結果が得られた。一方,年度内に確認的因子分析のためのデータ収集が間に合わなかったため,妥当性の検証とともに,令和6年度に実施する計画へと修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた研究1と研究2を順調に遂行することができ,良好な結果を確認することができた。一方,EPM尺度の確認的因子分析と妥当性を検証するためのデータ収集を令和5年度中に行うことができず,それに伴い学会発表等にも遅れが生じているため,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に遂行できなかったEPM尺度の確認的因子分析と妥当性の検証については,令和6年度前期中にデータ収集と解析を完了する計画で進めている。 また,Pro-IATにおいては,当初の計画通り,令和6年度と令和7年度の2年計画で,十分なデータサンプルを確保しながら信頼性と妥当性の本調査を進める計画である。なお,調査対象者は,予備研究と同様に広く青年期に適用できる測定法として完成させていくために,高校生を調査対象に加える予定である。
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